抽象とも具象とも分類できない、新しいタイプの絵画

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5月中旬まで国立新美術館で行われていた展覧会
中村一美展・絵画とは何のために存するのか 絵画とは何なのか」

ポスターになっている《存在の鳥 107(キジ)》
2006年 アクリリック/綿布 260.1×190.8 cm 
こちらは東京国立近代美術館のお買い上げということで、
美術評論家の方々のお集まりの席で
ちょっと話題になっておりました。
 
この作品は日本の美術史上、意味を持つ作品であるのですね。
私には抽象画と見えましたが、国立新美術館の説明を見ると
『抽象とも具象とも分類できない、新しいタイプの絵
画の創造に取り組んでいます』とあります。
 
一般的には、不況時は具象画が売れ、景気の良い時には抽象画が売れるそうです。
抽象とも具象とも分類できない作品が売れるということは・・・今は??
などと考えてみました。今はまさにこのどちらもの時代かもしれません。
私の周囲を見ると具象画が売れている実感があります。
国立近代美術館には、この一般のモノサシはもちろん当てはまりませんけれど。
 
『980年代初頭に本格的な絵画制作を開始した中村一美(1956生)は、同世代
の中でも、もっとも精力的な活動を展開してきた現代美術作家・画家の一人です。

―絵画は何のために存するのか。絵画とは何なのか。中村は、この疑問に
答えるために、ジャクソン・ポロックマーク・ロスコ、バーネット・ニューマ
ンなど、西欧のモダニズム絵画の到達点とみなされていた戦後アメリカの
抽象表現主義絵画の研究から出発し、彼らの芸術を乗り越える新たな絵画・
絵画理論を探求します。中村が特に参照したのは、日本の古代・中世絵画、中
国宋代の山水画、朝鮮の民画など、東アジアの伝統的な絵画における空間表
現や、形象の記号的・象徴的作用でした。また中村は、絵画の意味は別の絵画
との差異の中にしか存在しえないという認識に基づく「示差性の絵画」とい
う概念を、すでに1980年代に提出しています。それゆえその絵画は、同じモ
ティーフに拠りながらも、つねに複数の作品が差異を示しながら展開する
連作として制作されてきました。「存在の鳥」連作に代表される近年の絵画
では、象形文字を思わせるマトリクスに基づきながら、多様な色彩や筆触や
描法を駆使することで、抽象とも具象とも分類できない、新しいタイプの絵
画の創造に取り組んでいます。』
 
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とても美味しいですよ。女性向きの量かもしれませんね。