「カナレットとヴェネツィアの輝き」展

 SOMPO美術館(東京・西新宿)で「カナレットとヴェネツィアの輝き」展を見てきました。12月28日まで開催中です。

カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル 1697~1768年)とは?

カナル・グランデサン・マルコ広場など、ヴェネツィアを透視図法で緻密に描き、ヴェドゥータ(景観画)というジャンルをつくった18世紀の画家です。

透視図法や遠近法を駆使し、キラキラ光る運河や青い空、運河に映る建物の影まで精密に描かれています、さらに船や建物にいる小さな人々の様子までもいきいきと描かれているため、その場にいるかのような臨場感を得られます。

 

カナル・グランデレガッタ〉は、船上の人々や建物内の人々が細部まで描き込まれ華やかさと動きがあって没入感が抜群です。

 

 

ヴェネツィアカナル・グランデ サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂を望む〉ウィリアム・ジェイムズミュラー1837年の作品です。

カナレットの技法を引き継いだ画家のひとりです。

 

カナレットと同時代の画家ミケーレ・マリエスキ 1740年頃の作品。

有名なリアルト橋が描かれています。

向かって左がカナレット

18世紀の世紀のヴェネツィアを魅力的に描きました。

ヴェネツィア生まれで父親は劇場の舞台美術家という環境で育っています。

 

日本で初めての本格的な展覧会だそうで、日本ではあまり知られていないのかもしれません。

18世紀後半にイギリスの貴族が主にフランスやイタリアの文化の中心地を回った「グランド・ツアー」。特に人気の地はヴェネツィアでした。カナレットの作品はヴェネツィア土産としてイギリスに持ち帰られたため、イギリスにはたくさん残っているのだそうです。

カナレットの没後もヴェネツィアは多くの画家によって描かれ続けてきました。ブーダン、モネ、シニャックといった19世紀の画家たちが描いた作品も展示されています。