横須賀美術館「日本の巨大ロボット群像」展4月7日までです。

鉄人の変遷とともに社会情勢も分かる展示です。

こんな玩具をもらった子どもは嬉しかったでしょうね。

かなりのクオリティ、本格的です。

 

 

最初のロボットアニメは1963年生まれの鉄人28号

その後、マジンガーZ機動戦士ガンダムが生まれ、それらに影響を受けて、魅力的なロボットがデザインされてきたのだそう。

日本独自といえる進化と広がりを見せてきたデザインの変遷には、空想上のロボットという荒唐無稽な存在に、映像的なリアリティを与えるためにデザインや設定上での創意工夫があるのです。

あまり巨大ロボットに馴染みのなかった私も、巨大ロボットに凝縮された魅力を知り新たな世界をみた気持ちでした。

横須賀出身のメカニックデザイナーの草分け的存在、宮武一貴氏(スタジオぬえ)の作品

実物大のガンダム

巨大ロボットの大きさと設定上のメカニズムを知ることができる展覧会です。

 

架空の存在であるロボットにリアリティを与えた内部図解

 

横須賀美術館「日本の巨大ロボット群像」展4月7日までです。

国立新美術館「マティス 自由なフォルム」展5月27日までです。

「生命の木」のための習作

室内装飾や祭服などすべてのデザインを手掛けた、ヴァンスのロザリオ礼拝堂。

時間によって移り変わる光の様子が体験できます。

 

切り紙絵の超大作も見られます。

4連作の一番最初に手掛けたとされる。 素描の痕跡が多く見られる「ブルーヌード」

青の重なりや形から、体の柔らかい部分、硬い部分が感じられます。

 

 

 

マティスが後年愛した切紙絵に焦点をあてた展覧会です。

 

また、彫刻家としてのマティスの魅力に驚かされる展覧会でもあります。

「ジャネットV」は髪の毛がなく、おでこ、鼻など、形状をデフォルメしてくっつけている感じ。
滑らかにしていけば、女性らしい顔立ちになりそう、、、
と思ったりしつつ、初めて見る迫力と可愛らしさがあるジャネットVに魅了されながら、しばし眺めてしまいました。

初期のフォービスム作品や南仏のアトリエで描かれた作品を通して、切り紙絵ヘと至った道を知ることができます。

色や形や構成が魅力的なマティスの絵画、切り紙絵は部屋に飾りたくなるNo.1です。

マティス自身が部屋に飾っていたモチーフそのものを描いている親密な作品だからかしら。

サントリー美術館「織田有楽斎」展24日までです。


 サントリー美術館で開催中の
四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」へ行って来ました。
没後400年。
初めての展覧会だそう。

織田有楽斎とは???
信長の弟であり 茶人

武士として信長・秀吉・家康という武将につかえ生き抜き、茶の湯を極めた名茶人。
晩年には京都・建仁寺塔頭「正伝院」を再興、終の住処としました。
このとき正伝院内に建てた茶室「如庵」は国宝に指定されています。
有楽斎のすぐれた茶の湯の美意識は規範とされ受け継がれているのです。
正伝永源院の寺宝から茶人織田有楽斎を知ることができる展覧会でした。
富岡鉄斎「如庵図」伝 徽宗「架鷹図」長谷川等伯「旧正伝院書院障壁画」狩野山楽「蓮鷺図襖」なども見ることができます。
 

有楽斎は「逃げた男」と言われています。信長、信忠(信長の息子)は抗戦し自害しましたが、有楽斎は逃げて生き延びた、ということなのです。

 

有楽斎は武士だけでなく有力茶人や高僧、公家など幅広い交友関係を持っており、茶会が政治のコミュニケーションツールになっていたそう。そのため豊臣や徳川家から頼りにされていたということです。

生き延びる、生きること。交友し自分の美意識を磨き形をつくること。

有楽斎の人物像を通して、大切なことが伝わってくる展覧会でもありました。

 

 

東京国立博物館「中尊寺金色堂」展4月14日までです。

中尊寺金色堂展を見てきました。

8KCGによる実物大の金色堂が眼の前に!

内部の様子もよく見えます。

そしてここには本物がお出ましになっているのです!

中尊寺に出かけたとき、誰しも思う、もっと近くでよく見たいという願いが叶う展覧会。

中央の須弥壇に安置されている仏像11体は千年前のものとは思えない金色です。

阿弥陀如来坐像も地蔵菩薩立像も優しいお顔で、和やかな空気が流れています。

増長天立像と持国天立像は動きがあって勢いがあり華やか!

 

金銀で交互に文字が書かれた「中尊寺経」

極楽に響く美しい声の鳥の文華髷などの国宝を見ながら、藤原清衡に思いを馳せます。

 

 

関連展示ほか、さまざまな展示を見ることができるので、一日いても足りないくらい。

版画体験コーナーを楽しんだり

 

宮川香山白磁観音

とても麗しい観音様。台座がレースのようになっています。

橋本雅邦の竹林猫

季節柄 雛飾りなどもいろいろ。5世大木平蔵作です。

春=上野。そしてトーハク!

美術館トートが増え続けておりますが、あまりの楽しさにトーハクトートバッグを購入してしまいました。

Itsuka さん 絵本展

四谷で「11にん11いろの絵本展」を見てきました。

湘南美術アカデミーの生徒さん、itsuka さんが出展されています。

「ふしぎなちょうアオてふ」は作・絵ともitsuka さんによるデビュー作。

絵画だけでなく、アオてふちゃんの彫刻もitsuka さんが手がけました。

立体になって絵本から飛び出したアオてふは、とっても明るく楽しげで希望に満ちた可愛らしさ!

でも、ちょっと切なくいとおしい気持になるのは、絵本を読んだからかしら。

 

11にんの皆さんの、それぞれのブースが並びます。

 

 

展示会場の近くに岡本太郎の彫刻がありました!

心が踊ります!

横浜高島屋 松谷千夏子展 29日までです

湘南美術アカデミー日本画講師の松谷先生の個展を見てきました。

『何も描いていない白の空間が、単なる余白でなく意味を持つように描いています。』

 

自分自身の時間や気持の流れを感じ、想像力が高まるのは、この余白のせいでしょうか。

 

それぞれの作品が生み出す香りが混じり合って、

いつも違った香りを感じさせてくれる先生の展覧会ですが、

今回もよい香り。

果物と樹木を合わせたような、少しフルーティーで爽やかな香りが、心の中から会場内に広がっていきました。

ずーっと居たくなる心地よさ。

 

形、色、ライン、空間、細部まで美しい松谷先生の作品は、オシャレ日本画の最高峰だと思うのです。

29日までですので、約35点の作品が作り出す、この素晴らしい会場に、ぜひお運びください。

 

 

 

日本の風景画のルーツ 憧れの秋田蘭画

秋田県立美術館 藤田嗣治の「秋田の行事」が常設されています。

米穀商を営み秋田の資産家であった平野政吉が、親しくしていた藤田に依頼した壁画です。

 

秋田の文化、風習が俯瞰できる壮大な壁画。お祭りや秋田の人々の暮らしの様子がいっぱいに盛り込まれ華やかです。いきいきとしたエネルギーと同時に神様の存在を感じる厳かな作品でもあると思いました。

カフェもとても素敵です。

 

解体新書

遠近法や陰影法を用いて描かれた精巧な解剖図。

西洋画法を、本草学者・平賀源内に学んだ、秋田藩士小田野直武の作です。

青森、山形、秋田と、このところ東北の美術館に出かけています。

秋田といえば秋田蘭画。角館の武家屋敷のエリアにある平福記念美術館にぜひ行きたかったのですが改装中の期間で残念!

武家屋敷に熊が出たというニュースがあったので、タクシーでガイドしていただきつつ見学しました。熊が登っていたという木を教えていただきましたが、武家屋敷の中心部で驚きました。

石黒家は佐竹北家の用人(勘定役)を勤めたお家柄。(秋田県知事の佐竹敬久氏は、江戸時代の秋田藩主佐竹家の分家・佐竹北家の21代当主です)
角館に現存する最古の武家屋敷といわれるこの石黒家には今でも直系のご家族が住んでいらっしゃいます。

ここ一軒のみ、部屋に上がり、武家屋敷特有の内部を見学することができます。

代々伝わる武具甲冑類・古文書(解体新書関連資料を含む)・雪国の生活道具なども常設展示されています。

 

 

秋田蘭画とは江戸時代中期、小田野直武をはじめとする、秋田の藩士たちが描いた絵画のことです。西洋や中国からもたらされた陰影法や遠近法などの洋風表現を日本画の型に当てはめて描かれたものだそうです。

直武が秋田蘭画を描いたのは、江戸にきた安永2(1773)年から直武が亡くなる安永9(1780)年・32歳!までの、わずか7年間ですが、
日本画に大きな影響を与えています。
最初に本格的に日本の風景画を描いたのは秋田蘭画であり、北斎や広重の浮世絵や司馬江漢の風景画(油絵)は秋田蘭画から始まっているのだそう。

日本の風景画のルーツが秋田蘭画にあったとは!

武家屋敷のアイドル 秋田犬の武家丸くん。唯一会えた秋田犬です。

小田野直武一族の分家にあたるお屋敷があります。

秋田内陸線にも乗ってみました。鉄道ファンの気持ちが少し分かりました。

 

友人のオールドノリタケのコレクターが見せてくれた花瓶に、遠い景色と手前の大きな鳥、花が描かれていました。

これは!憧れの秋田蘭画みたい!

花瓶という形状が秋田蘭画のように見せてくれたのかしら?