新開設 こどものアトリエ教室

[f:id:artyuriko:20211011111927j:plain

f:id:artyuriko:20211011111954j:plain

先生の見本 
今日の課題は、海と空の絵、雨の絵です。3枚を縦につないでいます。

難しそう?

ぐるぐるぐる、サッサッサッ、
丸と線の練習をすれば描けるんですって。

ちょっと周りを見てみましょう。
ほとんどのものが、丸と線でできている。ママの顔は丸、手足は線、テレビは線、コップは丸。

f:id:artyuriko:20211011112034j:plain
1年生の男の子、丸も線も上手です。

クレヨンで丸をいっぱい描いたら、モクモクの雲に。白い画用紙に白い雲だから、よく見えないけれど。

紙に水をいっぱい塗ります。ビチョビチョに。
青い水彩絵具を塗ると、、、わぁ!白い雲が出てきましたよ。

絵具をつけるのは一度だけ。
あとは水で伸ばすと、水彩画らしい濃淡ができます。



[f:id:artyuriko:20211011112103j:plain
2枚目は波。
横の線をいっぱい描けば波ができますね。
遠くの波、近くの波、どっちが濃い色に見えるかな?
普段から、いろいろなものを、よく見て観察するって大事なことですね。

f:id:artyuriko:20211011112124j:plain丸をいっぱい描けば雨の水紋、
線をたくさん描けば雨の景色です。

f:id:artyuriko:20211011112452j:plain

f:id:artyuriko:20211011112557j:plain

とっても素敵にできました!


新開設*こどものアトリエ教室 講師 小林雅美 第1,3月曜日16時30分〜18時30分
湘南美術アカデミーでは10月より子供のための教室を新しく開設いたします。今まで基礎デッサン教室に小学5年生以上は教えていたのですが、それより小さい子を対象に教えます。今まで子供専門教室がなかったのですがこれからはどんどん教えていきますのでお越しください。

こどものアトリエの教室案内はコチラhttps://www.shonan-art-academy.com/class/cat125.html

モダングラフィック技法講座

仕事の仕方の模擬体験。
前回は商品 牛乳パックのコンプを作りました。
プレゼンでクライアントに見せるという設定で作る完成予想図です。
アイソメ図を書いてみます。

アイソメ図とは、アイソメトリック図のことで、立体を斜め上から見た図であり、等角投影法とよばれる表現方法です。視覚的にわかりやすい立体として表現できるので、建築の分野などで用いられます。

f:id:artyuriko:20211001155112j:plain

 先生作


今回は本のコンプを作成します。
これまで習った技法を使って本の表紙をデザインします。

f:id:artyuriko:20211001155300j:plain

 

本は湘南、鵠沼が出てくるということで、芥川龍之介の『歯車』を先生がご指定。
そしてデザインを考えるうえでのテーマは「調べること」。

仕事の姿勢として井手先生が共感するとおっしゃる、水野学さんは(くまモンのデザイナー、多摩美術大学デザイン学科卒業)、「依頼を受けたら徹底的に調べる」という方だそうです。

水野学さんに倣って、徹底的に調べて、表紙を考えてみるというわけです。

水野学さんの『センスは知識からはじまる』を、ご紹介いただき読んでみましたが、デザインに限らずビジネスにおいて、とても参考になる本でした。

内容はのちほどご紹介いたしますね。

 

さて、 

想定する本のサイズは四六版18,8×12,7。

タイトル、作者、出版社などを入れます。

自身の心象風景を小説にした『歯車』の中で、表紙のイメージに役立ちそうなものを調べつつ、どんどん書き留めてみました。

調べていくうちに「歯車は次第に数を増やし」というのは、閃輝暗点と呼ばれる片頭痛の前兆として現れる視覚異常で、キラキラした歯車のようなものが見えて広がってくることを表現していることがわかりました。

1927年に執筆され同年服毒自殺を図っている本書には、

自殺に追い詰めた幻視、妄想が描かれているのだそうです。

続いて芥川龍之介のことを調べていくと、芥川家に養子に出されたこと、帝大の卒論はウイリアム・モリスであったこと。

イリアムモリスのどこに興味を持ったのでしょうか?

アーツ&クラフツ運動で各国に影響を与えた、モダンデザインの父といわれたウイリアムモリス(1959-1896)は、デザイナーだとばかり思っていましたが、詩人でもあったのですね。1861-1870年に完成させた叙情詩「地上の楽園」で名声を得たのだそう!

そして結婚した相手はジェーン・バーデン、友人の画家ロセッティなどラファエル前派のモデルをしていた女性です。ロセッティの絵によく出てくるあの女性なのです!モリスのデザインは大好きですが、知らなかったことばかり!

 

卒論の中身はわかりませんが、詩人としてのモリス、デザイナーとしてのモリスに関心を持ったのでしょう。

ふと浮かんできたモリスの柄は、ふっくらとした実のようにもみえる植物が左右アシンメトリーのもの。脳のように見えなくもないのです。

幻視や妄想に悩まされた芥川龍之介の本の表紙には、ぴったりなような気がしてきました。

モリスの柄を表紙に使ってみようかしら・・・

今回は「徹底的に調べること」を実践してみました。

f:id:artyuriko:20211009145409j:plain

 

 アール・ヌーヴォー風文字の色はモリスの鳥の尻尾と同じ色。


f:id:artyuriko:20211009150402j:plain

小説に出てくるココアがモチーフ。テーブルクロスのラインを歪ませることで執筆時の著者の精神状態を表したそうです。

 

モダングラフィック技法講座

f:id:artyuriko:20210718112916j:plain

f:id:artyuriko:20210718112845j:plain

本日は写真の模写です。
井手先生の作品は、写真そのもののような完成度!

写真をトレースし、画用紙にうつして着色していきます。

f:id:artyuriko:20210718112731j:plain
ご自身で撮影した、オシャレな写真を模写中の生徒さん。

写真とそっくりな微妙な色を混色により作るのは、難しいけれど楽しい作業。
トレースにより形は決まっているので、ポイントは色とタッチだけ。

真っ直ぐなラインには、溝引き定規とガラス棒を使います。

f:id:artyuriko:20210718112640j:plain

f:id:artyuriko:20210718112609j:plain

f:id:artyuriko:20210718112701j:plain
インテリア雑誌やレコードジャケットなど、井手先生の選ぶ写真もオシャレ!

影の描き方など、匠のテクニックの数々に、生徒全員うっとりです。


f:id:artyuriko:20210718113021j:plain
好きなアイドルの写真を模写中です。
昔の婦人誌の表紙のような雰囲気が出てきそうです。
肌色を作るのが難しそうです。

f:id:artyuriko:20210718113050j:plain
本棚が気に入って選んだ写真ですが、細かすぎました!
授業の目的は、写真とソックリに描くことなので、よく考えて選ぶべきでした。
本も皮の椅子も上手く描けませんでしたが、とっても楽しい時間でした。

f:id:artyuriko:20211001161520j:plain

「ブックセラーズ」

f:id:artyuriko:20210711215045j:plain

世界最大規模を誇るニューヨークブックフェアに集まる、ブックセラーたちを追ったドキュメンタリー映画です。
The Booksellersとは「本を売る人たち」。
本を探し求め、見つけた本を売るお仕事をする、本を愛する人たちのこと。

登場するのは、ニューヨークの老舗書店の人たち、有名なブックディーラー、希少本のコレクター、伝説の人から若手まで。
宝物の本についていきいきと語る、本にとりつかれた人たちの、本への深い深い愛情を感じる映画です。

ブックセラーズのおうちは天井までの本棚に埋め尽くされています。「人間の想像力の歴史のウォーカー図書館」という、
エッシャーのデザイン?と思うような魅力的な建築の、美術館のような、ウォーカーさんの私立図書も出てきます。
非公開だそうですので、本当に自分のための図書館なんですね!

いくつかの言葉の中に、ブックセラーズの思いがわかるものがありました。
「本をオークションで散逸させたくない」
「本に正しい家を見つけてやるのは医者が患者を治すことに似ている」
「その本の正しい住所に戻すこと、その本にふさわしい人であり心からその本が欲しいけれど買えない人」
「本もまた その読者を読む」
あくまでもbook firstなのでした。


ビル・ゲイツによって史上最高額の2800万ドル約28億円で競り落とされた「レオナルド・ダ・ヴィンチレスター手稿」や
若草物語のオルコットが偽名で書いたパルプ小説、
人間の皮膚で作られた本をはじめ、宝石入りの本などの希少本が、たくさん紹介されます。

本作によると、多くの人がアートを所有したいと思うのにくらべて、希少本であっても所有したいと思う人は少ないそうです。
その理由は、本は絵画と違い他人に見せびらかす戦利品になりにくい(さわられたくないという気持ちもある)ということや、
印刷物なので、よほど変わったものでない限り一点ものではない(その代わり、誰に所有し継がれてきたのか、本への書き込みや汚れ、といったものが注目されます)ということがあるそうです。

近年、株と同じように投機目的で購入するアートコレクターが増えていると聞きます。
ブックセラーズは投機目的ではなく、けれど、ぜったいに売りたくないタイプのアートコレクターとも違うようです。
自分のテーマで探し求めた本なので売れるとは限らない。売らなくてもいいんです。蒐集家でもあるのですから。
求めている人がいて、その人に売れたらとっても嬉しい!共感し共有したい!という気持ちでしょうか。


ちなみに、ビル・ゲイツは世界中の各都市で一年に一度、「レスター手稿」を公開しているそう。
2018年2019年にはダ・ヴィンチ死後500年を記念して、ウフィツィ美術館に展示されました。
ビル・ゲイツが「レスター手稿」を、スキャンしデジタル画像にしたことで、
ダ・ヴィンチの手稿の中身を、ずーっと先の未来の人々まで知ることができる!
なんと素晴らしい人類貢献!

ダ・ヴィンチ最高額といえば「サルバトール・ムンディ」!もありましたね。
2017年、美術史上最高額 4億5030万ドルで落札された絵画です。
落札者は明かされず、現在どこにあるのかもわからないといいます。
こちらは、いつか見ることができるのでしょうか???

ブックセラーズのお家には、膨大な本とともに、アンティークな品々が飾られています。
アートオークションで高価格で取引されるようなものではなく、動物の骨とか部族の飾り的な、そのような類のもの。
本の蒐集過程で興味を持ち出会ったような品々で、これもまた本と同様に宝物。
「ブックセラーは探検者で歴史学者」なのですから。

オープニングクレジットは「本は長生きして私たち人間の考えが生み出した全てのものを伝える」。

「本」の魅力と、ブックセラーズの豊かな世界に触れることができる映画でした。

モダングラフィック技法講座

f:id:artyuriko:20210627131444j:plainf:id:artyuriko:20210627131503j:plain
世界共通の色見本帳です。
色が決まったらポスターカラーを混色することにより、近い色を作ります。
微妙な色合いも表現できることが、シルクスクリーンの魅力です。

f:id:artyuriko:20210627131824j:plain

このようなキットを使います。

f:id:artyuriko:20210627131545j:plain
シートを使用色ごとに切り抜きます。同じ柄で、色違いを作ることができます。

f:id:artyuriko:20210627131612j:plain
モリスっぽいお花柄。
Tシャツやテーブルクロスなどの布類や、球面などの平ではない面に印刷できるのもシルクスクリーンならでは。

f:id:artyuriko:20210627131634j:plain

f:id:artyuriko:20210627131734j:plain

モダングラフィック技法講座

f:id:artyuriko:20210617130443j:plain

シルクスクリーン(孔版)は、木枠に張った布(シルク)に、
絵具の通る部分と通らない部分を作った版を乗せて、上から絵具をこすようにして下の紙に絵具を定着させる版画技法です。

f:id:artyuriko:20210617130346j:plainf:id:artyuriko:20210617130102j:plain

アンディ・ウォーホルが有名です。
井手先生所蔵の作品集を見せていただきました。

f:id:artyuriko:20210617130148j:plain

井手先生の、アクアチントによる作品です。


f:id:artyuriko:20210617130215j:plain

井手先生のシルクスクリーン作品。
3色、3枚のシートを使用しています。

f:id:artyuriko:20210617130311j:plain

f:id:artyuriko:20210617130409j:plain


f:id:artyuriko:20210617130525j:plain

版画

凸版方式(木版など)
凹凸(おうとつ)のある版の凸部分にインクをつけ印刷します。
最も長い歴史を持つ印刷方法で、印鑑に使われています。

凹版方式(ドライポイント、エッチング、アクアチント、メゾチントなど)
凹の部分にインクをつけ印刷。印刷部分を凹状にした版にインクをつけ、
そこから余分なインクをかき取り、残った凹部のインクで印刷します。
オフセット印刷が主流のため、お札など特殊なものの印刷に使用されています。

平版方式(オフセット印刷、石版リトグラフ
版自体に凹凸をつけず、水と油の反発性を利用し印刷します。
製版時に印刷部分を油性にしておき、版に水を与えると、
油性になっていない(印刷しない)部分だけ水を含み、この状態で版にインクをつけると、
油性の部分だけにインクが付着します。

孔版方式(シルクスクリーン
シルクスクリーンは、木枠に張った布に、絵具の通る部分と通らない部分を作った版を取り付けて
上から絵具をこすようにして下の紙に絵具を定着させる版画技法です。

美術作品でよく見る、「リトグラフ」「シルクスクリーン」は版画の技法のことです。
ヨーロッパでは19世紀に発明されたリトグラフ(石版画)が一般的で、多くの画家が制作しています。

リトグラフは、石の板に彫り付けた文字やイラストにインクを塗って写し取る石版画のような印刷の事です。
石の版に画家が油性の絵具で直接絵を描いて、絵具が乾いた後、版面に水を掛けて濡らし、
濡れた状態で油性の絵具を乗せると、油性の絵具で描いたところだけ絵具がつきます。
そこに紙を重ねて色を転写したものです。

シルクスクリーンリトグラフは複数枚刷れることから、価値が高くないと思っている方もいらっしゃるかと思います。
版画は限定数(エディション)を決めて作られます。限定数を刷った後の版は処分して、限定数以上は刷られることはありません。作品の画面下、サインの横に書いてある数字をエディションナンバーといいます。
サインとエディションの表記が決められたのは、
1960年にウイーンで開催された国際造形美術会議においてですので、それ以前の作品には表記がないものもあります。

19世紀の終わり頃から版画が美術の表現手段として広まり始め、画家が版画の制作過程を楽しみ、
全行程を自分で行うようになっていきます。 版画のための下絵を描き、版画制作の全行程に画家が関与し制作された版画を、
オリジナル版画といいます。
20世紀に入り、シャガールピカソマチスなどのオリジナル版画は、生前から人気が高く数多く制作されました。

f:id:artyuriko:20210626134554j:plain

マチスリトグラフ 《室内で読書する女》1925年

画家の原画をもとに、画家や遺族の承諾を得て版画が作られたものは、
オリジナル版画ではなく、エスタンプ(復刻版画)、リプロダクションといわれます。
リプロダクションであっても、版画制作の過程で、作家がどのように関わってきたかによって、
美術品としての価値が変わってきます。




作家が許可した版画工房や版画職人が制作した版画に、画家本人が目を通してサインしたものは、
原画を版画化したもの、ということからアフターがつきます。
アフター・シャガールというように。
オリジナル版画とは区別され、準オリジナル版画という位置づけになります。

次回は生徒さんのシルクスクリーン作品をご紹介いたしますね。