泉屋博古館東京「オタケ・インパクト」展12月15日までです

国観

越堂

竹坡

 

泉屋博古館で「オタケ・インパクト」を見てきました。

「はじめまして尾竹三兄弟。東京初大回顧展。美術史から零れ落ちた規格外の日本画


ポスターにこんな文章が書かれていたので気になって。

 

 

尾竹三兄弟とは、
新潟出身で、明治末~大正期にかけて活躍した日本画家の三兄弟。
長男・越堂えつどう(1868~1931)、次男・竹坡ちくは(1878~1936)、三男・国観こっかん(1880~1945)。

三者三様、インパクトのある展覧会でした。


竹坡の作品が圧巻。サメ、ヒラメ、カツオ、ウミガメ、イセエビ、アンコウなど、無数の魚介類が画面を隙間なく埋め尽くした〈大漁図(漁に行け)〉の不思議さ。若冲の海の生き物よりイラストっぽい魚類が海面にぎゅうぎゅう詰め。シンプルな舟に乗った裸の漁師たちは顔立ちといい足の長さといい結んだ髪といい、日本人ぽくありません。それにしても大漁すぎる。舟が沈むくらい穫れそうです。

 

〈月の潤い・太陽の熱・星の冷え〉は、日本画というジャンルを越えた前衛的な作品。舞台美術のような空間を感じ、とても面白いと思いました。

 

今回ちょっとした発見がありました。

国観が、新渡戸稻造著「ファウスト物語」に口絵1葉、挿絵12葉を描いていたのです。新渡戸稲造のことは盛岡の先人記念館で知ったばかり。そして先人同士のつながりに感心したところでしたので、新潟出身の国観と盛岡の新渡戸稲造のつながりも私の心に追加されました。

三兄弟のそれぞれの日本画は、日本画の魅力を越えた新しさがあり、斬新に感じました。

なかなか刺激的な展覧会です。ぜひお出かけください。