「ドビュッシー、音楽と美術-印象派と象徴派のあいだで-」09月23日

 『ドビュッシー 、音楽と美術ー印象派と象徴派のあいだで』を、ブリヂストン美術館に見に行ってきました。ドビュッシーを中心とした芸術の世界の展示ということが、たいへん興味深く、ずっと楽しみにしていた展覧会でした。それもオルセー美術館オランジュリー美術館共同企画!

今回はもちろん音声ガイドを借ります。ドビュッシー自身の演奏やラフマニノフの演奏も聞けるのですから。

ラフマニノフの演奏する『子供の領分』をBGMにドビュッシーの眼となって(?!)この時代の作品を見ることの楽しさといったら!作品から音楽をイメージするというテーマを持って鑑賞してみると、どの作品からも音楽が聞こえてくるような気がします。

美術と文学と音楽の親和性は高いといいますが、 それを形に表した素晴らしい展覧会だと思いました。
貧しかったドビュッシーが一流の芸術に触れることができたのは、パリの富裕層であり画家でもある美術愛好家ルロールのおかげです。ルロール家のサロンには有名な芸術家が集ったといいます。このルロール氏にドビュッシーを紹介したのが裕福な家庭の作曲家ショーソン(『詩曲』くらいしか思い浮かびません)。このショーソンのおかげでドビュッシーの芸術が生まれたとは知りませんでした。

展覧会のポスターになっているのはルノワールの絵です。ルロール家の姉妹がサロンのピアノの前にいる様子を描いたもので、後ろの壁にはドガの踊り子が掛っています。この優しくあたたかな雰囲気の中にドビュッシーもいたのだと思うと、なぜか私も幸せな気持ちになります。

フランスの象徴派詩人マラルメの影響で書いた『牧神の午後への前奏曲』。ニジンスキーが踊るのをテレビで見たことがありましたが、詩が音楽となりバレエとなって表現されたものだったという経緯がよくわかりました。

ランチは母の希望で館内のTearoom Georgette( ティールーム ジョルジェット )で。限定30食のサンドイッチのランチセットをいただきました。ポットサービスのコーヒーか紅茶(私はベルガモットオレンジ)と、プチデザートとクッキーがついてきます。明るくここちよく美術鑑賞のあとにぴったりのお店です。サンドイッチもお茶も美味しくオススメですよ。

この後、新しくなった東京駅の駅舎を眺めつつ、丸の内までお散歩してみました。丸の内が一番美しい季節は秋だと思うのですが、もう少し先ですね。

夜、父のCDコレクションの中にドビュッシーを見つけたと、母から写メが届きました。父はドビュッシーが好きだったのかしら?どこに共感してCDを買ったのかしら。父とドビュッシーについて語り合えなかったことが残念です。美しいジャケットなので、まさかのジャケ買い?