リヒテンシュタイン展のアメリング 10月28日

 国立新美術館で開催中の「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」展に行って来ました。リヒテンシュタイン公国というのはスイスとオーストリアの間にある小さな国。歴代のリヒテンシュタイン家では芸術の庇護を家訓としたそうで、そのコレクションは1600点の絵画や工芸などを含め総数は約3万点。今回はその中からバロック美術とルネサンスから19世紀前半までの作品が展示されていました。

チェンバロの音を頭の中に鳴り響かせながら会場に向った私。まあなんと珍しい展覧会!バロックサロンと名のついたお部屋には、バロックの家具や装飾品、そして天井画まであり宮殿を再現しています。なかなかその時代の空気感まで味わえる展覧会はないので嬉しいですね。

4枚の天井画は楕円形で、アントニオ・ベルッチの「絵画の寓意」「占星術の寓意」「彫刻の寓意」「音楽の寓意」。いらした方はどれがどの絵か見つけてみてくださいね。4枚揃うと天井が高く高く抜けるように見える効果があると聞いたことがあるので、絵の真ん中、真下に立って眺めてみました。教会のように大きい天井画ではないので(当たり前!)それほどでもありませんでしたが、バロックらしい色鮮やかないきいきした絵を見上げると気分が盛り上がります!

バロックとは16世紀末から18世紀初頭にヨーロッパに展開された芸術様式で「歪んだ真珠」という意味。いびつでゴテゴテしているということらしいです。いかにも貴族のコレクションという感じです。

リヒテンシュタイン伯爵は世界屈指のルーベンスコレクターということで、ルーベンス作品もたくさん見られます。カトリック教徒だったルーベンスは宮殿の壁画を書いていますが、バロック時代の宮殿にぴったりの量感、重厚感です。神話の絵の中にいる、たっぷり裸の女性は女神様なのだそう。

この度初めて好きになったのは写真のフリードリヒ・フォン・アメリングの「麦わら帽子の少女」。帽子の緑のリボンはビロードらしい質感、レンガ色のショール、バラ色の頬、背景の色など、魅力的で、しばらくじーっと見てしまいました。かなり好きだわ。

さて、ランチは美術館近くの「カフェ・デイジー」で。デンマーク料理のお店です。スモーガスボードのお魚プレートがオススメ。ロイヤルコペンハーゲンの食器が北欧らしい。室内にしましたがテラス席もオシャレです。ライラックに似た色の可愛い花の咲く木は何かしら。お店によく似合っていました。