茅ケ崎市美術館「絵画への小径」 11月01日

 原良介氏の絵画への小径(こみち)を見てきました。

1975年、平塚市出身、2000年に多摩美術大学美術学部、2002年、同大学院を修了。2001年の公募展「トーキョーワンダーウォール都庁2001」において大賞を受賞した方です。

まず会場に入ると、笑顔の表情が出迎えてくれます。『ぬけ』という作品で、能面のように角度によって見え方が変わるような気がします。『ぬけ』の緑色といくつかの展示作品の緑色がリンクしていて、原氏の世界の入り口に立った実感がわきます。「ようこそ!私の世界を楽しんでいってくださいね」と言われているよう!

ポスターにもなっていた絵を見てビックリ。私が小人だと思っていた三人は、女の人(なぜか同じ女性)だったのです。澄んだ緑や茶色、小径(こみち)という展覧会のタイトルから、私は原氏の作品を絵本の挿絵のようにイメージしていました。小人は北欧のノームのような姿を想像していたのです。
倒れた木の上を歩く女性は景色に対して小さく見えますが小人ではないのでしょうか。原氏の絵には、なぜか同じ女性が三人いたり月が3つ描かれたりしていました。

別の展示室には、古い木材を扱う木工作家による展示セットが置かれ、そこに作品が掛っていました。これは『次元ドローイング』というシリーズです。
失敗作の裏に描かれた作品で、木枠の展示セットを使うことで、裏側の失敗作も見えるようになっています。
学芸員の方が「こんなに暗くしたのは初めて」とおっしゃる暗い展示室の真ん中で、二次元の絵画が空間に浮かび、いくつも影をつくっていました。伺ってみると、こうした展示方法も初めてということでした。キャンパス地の作品には水色の付箋が二枚づつ貼られ、なぜか壁にも二箇所付箋が貼られていました。どういう意味なのかはわかりませんが、壁と作品ではなく、全体を作品として感じられた気がしました。

「あー楽しかったです。ありがとうございました」と学芸員の方にご挨拶して、館内のカフェに寄りました。「サンカフェ」は高砂緑地を目の前にした本格的なカフェです。ランチは約束があったので、キャラメルラテだけいただきました。
企画展にちなんだ展覧会メニューもありましたよ。きのこのサラダやジェノベーゼパスタなどは原氏の色の世界ですね。