泉屋博古館「木島櫻谷 山水夢中」展 23日まで。

泉屋博古館で、近代の京都画壇を代表する日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく1877-1938)の展覧会を見てきました。

動物画で知られる櫻谷ですが、京都画壇の重鎮・今尾景年(1845~1924)に写生を学び、生涯山水画を描き続けた画家でもあります。写生を基礎に技術と独自の感性で描かれた櫻谷の山水画の世界は、洋画の雰囲気もあり、親しみやすく新しいものでした。

《寒月》は泉屋博古館で2018年に開催された木島櫻谷「近代動物画の冒険」で素敵なアートタイム) 見たので2回目。初めて体験した木島櫻谷展で、一番記憶に残った作品でした 。

雪の積もった竹林にキツネが一匹。黒と白の墨絵のように見えるのですが、黒い森には深い青や深い緑、空にはシルバーグレーの絵の具が使われていて奥行きや質感が感じられます。幼いころから漢詩に親しみ古画を愛したという櫻谷のならではの詩情豊かな作品です。

《駅路之春》は六曲一双の屏風絵で、茶店でくつろぐ旅の人たちと、白黒2頭の馬が描かれています。旅の荷物や樹木も描かれ、構図や色彩などモダンな雰囲気で、なんともいえない魅力がありました。


東京で初公開となった南禅寺塔頭南陽院本堂の山水障壁画も観ることができました。

櫻谷生涯のさまざまな山水画を中心に、確かな画法に支えられた詩情豊かな世界を味わえます。ぜひご覧ください。

※作品の入れ替えがあります。

 

こちらは薬師寺

書家の桃蹊(とうけい)さんに教えていただき奈良の薬師寺で、平山郁夫画伯の大壁画を見てきました。
平成三年に落慶法要をした玄奘三蔵院伽藍 にあります。
《大唐西域壁画》は、平山郁夫画伯自らが玄奘三蔵の足跡を訪ねた30年間の集大成となる大作です。
壮大で豪華!絵の具に宝石が使用されていて、「天山越え」のブルーは、ラピスラズリ。 白い部分は長石(ムーンストーン)。
天井一面に広がるのはラピスラズリの青い空。ゴールドも使われています。

平山郁夫玄奘三蔵の求法の道の追体験は、画家としてのスタートである「仏教伝来」から始まりました。過酷なシルクロードでの取材を重ね、薬師寺の「大唐西域壁画」を絵身舎利として奉納することで結実しています」

撮影禁止ですが、被爆者でもある画伯が思いを重ねながら進めた、その深さと高潔な魂の結集は、写真では伝わらないものだと思いますのでぜひ訪れてみてください。

 

こちらは、京都 東山の圓徳院の
長谷川等伯筆 重要文化財《方丈襖絵》

 

 

氷室神社蔵

春日大社に奉納する「煌」を描く桃蹊氏。

宮沢賢治の『インドラの網』から受けたインスピレーションで、賢治の心象スケッチを自身の心象の墨風景として表現したもの。