紫陽花が見頃の鎌倉の鏑木清方記念美術館へ行ってきました。東の清方 西の松園といわれる京都画壇の上村松園の作品も並び、近代美人画の世界を堪能してきました。
比べて見るのも面白いです。
清方は、東の人なので京都の芸姑さんの本質的なところは描けない、というようなことが解説にありました。
絵を描くということは、そういうことなのだと気付かされました。そして清方の作品に流れるものを感じました。
水野年方の元で勉強するほか梶田半古の画塾へも通った年方。23才のときの《浅みどり》には半古の清新な画風が出ているということです。
「技は水野先生、こころもちは梶田先生から啓かれた」
梶田半古の作品も見てみたくなりました。
紫陽花が清楚に迎えてくれる美術館は、この季節に出かけるのにピッタリです。
清方は紫陽花が大好きで『紫陽花舎随筆』というタイトルの随筆集を残しています。
清方の文章はあたたかく洒落ていて、いつまでも読み続けたいような、心地よいリズム感があると感じます。絵も好きですが文章も大好き。鏑木清方さんという人が好きなのだと、読むたびに思うのです。