国立西洋美術館にて「クラーナハ」展、「ドニの素描」展 1月15日までです

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国立西洋美術館で開催中の

クラーナハルネサンスを代表する画家のひとりでもあるそう。
ボッティチェリ、ジョット、ティッツィアーノしか思い浮かばかったので、まずルネサンスを、おさらいしてみることにしました。


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ルネサンスは、フィレンツェを中心とした、欧州での芸術活動の名前です。
15世紀~16世紀、1400年代から1500年代のこと。
フィレンツェに隣接して教皇庁のあるローマがあり、三大巨匠はフィレンツェからローマに招かれ、
教皇庁の仕事をしていたそう。

フィレンツェの他には、ヴェネチアルネサンス、北方ルネサンスがあります。

ジョルジョーネ
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

北方ルネサンス(アルプスより北、 ネーデルラント=ベルギー、オランダあたり、ドイツ、フランス)
ヒエロニムス・ボス

ドイツ
ルーカス・クラナハ

ではジョットさんは?
1267年頃に生まれ、1337年没ですので、ルネサンスより、ずいぶん前です。
けれど、ルネサンスの基礎の基礎を築いた人なのです。
ありがとうジョット』という本を読み、
ルネサンス好きな私も、ありがとうジョットさん!

ということで、クラナハは、ドイツ・ルネサンスの重要な画家なのです。
ルーカス・クラナハという名前は父と息子共通。
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ドイツの宗教改革創始者で、プロテスタント教会の源流をつくったマルティン・ルターと親友で、
生涯を通じて宮廷画家としてザクセン公家に仕えたクラーナハ。量産型の絵画工房を経営するビジネスマンでもありました。

ルネサンスの芸術はひとことでいうと「人間賛歌」。フランス語で「再生」「復興」という意味だそう。
中世の美術はキリスト教美術であり、絵画は、教会の壁面にあるモザイク絵画が中心で平面的なものでした。
ルネサンスには、その前の古典時代の古代ギリシアの彫刻にみるような、いきいきとした人間らしい魅力があります。

クラーナハが描いた裸婦は、なかなか見ることのない特徴を持っていました。実在しないと思われる、なで肩でナヨッとした体型です。
つるんとしていてウミヘビのような怪しい美人ですが、とても清潔感を感じます。
凹凸がなく陶器のような肌で、白眼が多い目、無表情で地味な顔立ちの女性たちは、ふくよかな柔らかい女性像の「人間賛歌」とは異なりますが、素晴らしく魅力的!
身体には、よーく見ると極薄のヴェールをまとっています。
あまりに薄いので裸同然ですが、この薄いベールには、何かを隠しているという意味があるような気がします。

ラファエロの聖母子など、華やかなルネサンスの絵画が好きでしたが、クラーナハのシックな色合いもまた魅力的でした。
黒と煉瓦色と陶器のような白。クラーナハの絵にはこの3色がよく使われていると思います。
また同じドイツでも、デューラーは男性的な、クラーナハは女性的な絵だと感じました。

ルネサンスの有名な画家の中で、クラーナハだけ知らなかったのですが、このたび、本当に知ることができてよかったです。
2016年秋に、ヨーロッパの名だたる美術館から国立西洋美術館に集まってきたクラーナハの作品。
この機会は逃してはいけないと思います。
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こんな展示も開催中でした!ドニの素描がいっぱい!とってもよかったです。
撮影可能でしたので、勉強のために撮りました。
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どちらも1月15日までです。

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闇に浮かぶ地獄の門クラーナハ