国立新美術館「メトロポリタン美術館展」30日までです。

国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」へ行って来ました。65点のうち、46点は日本初公開の作品
です!

ルネサンス(15世紀)からポスト印象派(19世紀)まで、巨匠の名作が並びます。

素晴らしすぎる展覧会でした。


カルロ・クリヴェッリ「聖母子」
繊細で、まるでデコパージュのような立体感!ピンクと金が華やかで、リンゴとキュウリが大きくて装飾的。不思議で怪しい宝石のような魅力があります。

フラ・アンジェリコ、フィリッポ・リッピの板絵も来ています。
ホンモノを日本で見ることができるとは!
スタートから驚きでした!


ラファエロ 「ゲッセマネの祈り」1504
優美に描く20歳頃のラファエロ。真摯さが伝わってきて、若いラファエロを愛おしく思えます。


エル・グレコ「羊飼いの礼拝」
赤子が放つ光が周りを照らす美しさ、隅々まで何度も見たいです。


ティツィアーノ 「ヴィーナスとアドニス」1550 おなじみの白い背中とお尻が輝いています。


ムリーリョ「聖母子」1670
厳かな色調と慈しみ深い聖母のお顔、すべてが感動的です。
赤子の愛らしい表情と、薄く透明感のあるお肌が「無原罪の御宿り」の聖母マリアに似ています。


レンブラント 「フローラ」1654


ブーシェ「ヴィーナスの化粧」1751
ロマンチックで色っぽくて可愛すぎるママン・ビーナス。ブーシェの作品の中でも最もスイートなのでは?


ヴァトー  「メズタン」1718-20


ターナー1835
ホワイトの輝き!!


フェルメール「信仰の寓意」1670-72
疑問作を含めて30数点しか現存していないというフェルメール作品の一つであり、日本初出展なのですから、大変なことです。
けれど、素晴らしすぎる作品を立て続けに見たため、感覚がおかしくなっているようで、あらフェルメールもあるのね、というくらいの受け止め方をしてしまいました。

地球儀や吊られたガラス玉、カーテンの柄、キリストの磔刑の絵画、十字架、ヘビ、リンゴなど盛沢山です。モチーフの意味はゆっくり紐解きたいです。

500年の流れの最後はモネの睡蓮でした。ずいぶん抽象化されていて色使いもダイナミック。この先も素晴らしい美術史が続く、そんなスタートの喜びを感じるラストでした。

メトロポリタン美術館展を毎日思い返しては、幸福に浸っております。

ぜひぜひご覧ください。