郷さくら美術館で10日まで「桜花賞展」

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 桜の名所・目黒川のほとりにある
郷さくら美術館」に行ってきました。
郷(さと)さくら美術館は、
福島県郡山市に設立された
日本画専門の美術館で、こちらは分館。
 
若い人にも日本画の魅力を知ってほしい、
また若手の日本画家を
応援したいという思いのある美術館です。
 
現在「桜」をテーマにした
コンクール形式の展覧会を開催中で、
第3回桜花賞展(30作品)と
平松礼二、中島千波らの桜百景展(17作品)を見ることができます。
 
桜花賞展で、私が気に入ったのは
「花あかりに」というタイトルの作品。

墨色の中に溢れる、
ふわふわと白い、フリルのような泡のような桜。
谷中さんの桜は、
夢のような現実のような世界に、
次々と生まれるくるようであり、じわじわと消えゆくようでもある・・・
 
どんな方が描いたのかしら、と思っていたら、
この日は、谷中さんのトークがあり、お目にかかることができました!
 
芸大、同大学院を卒業された、とても若くチャーミングな女性。
杉板に薄い絹を貼り、
春の池に映る柔らかい景色を表現されたそうです。

桜という題材は、命のサイクルを感じる捉えやすい題材。
ふわっとしたイメージでありながらグロテスクでもある。
どちらのイメージも大事にしたいと思っているというお話でした。

赤色はエンジ虫を使用したそうです。
天然素材の画材の中で、エンジ虫は初めて聞きました。
古い日本画にはよく使われていたそうなので、
日本画を鑑賞する時には、よく見てみたいと思います。
 
お好きな画家をうかがったところ、
椿椿山(つばきちんざん)とのこと。
渡辺崋山の弟子だったそうです。
 
作品を調べてみましたら、
丁寧で清らかな花鳥画に出会うことができました。
崋山の作風を受け継ぎながらも、
柔軟な筆遣いと温和な彩色に特質がみられるということで、
花鳥画・虫獣画・人物画に名品が多いそうです。
 
椿山は、俳諧・煎茶にも通じ、
笙の名手としても知られ、
穏やかで誠実な人柄で寡黙だったそうですが、
崋山が蛮社の獄で捕らわれた際には、
救済運動の中心となり奔走しています。
そして崋山亡き後は献身的に遺族の後見をし、
親孝行でもあったという。
 
これまで風景画しか見たことがなく、
ほとんど知らなかった椿山の人柄を知り、
またひとつ、作品を見る楽しみが増えました。
 
ちなみに洋画家では、ターナーがお好きだということでした。
 
美術館は、さくらの花のシンボルマークの
陶板が外壁に使われ、とても個性的!
2012年の開館初年には
グッドデザイン賞を受賞しているそうです。
 
桜花賞展は10日までです。
ぜひお出かけくださいね。