「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」上映中です

有楽町イトシア・イトシアプラザ 
「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」を見てきました。

今年で創立125周年を迎えた、ウィーン美術史美術館の改装に密着したドキュメンタリー映画です。

645年間君臨したハプスブルク家の歴代皇帝たちが蒐集した膨大な数の美術品を所蔵する、
ウィーン美術史美術館。

クラーナハフェルメールカラヴァッジオなどの名画から、彫刻、美術工芸品などなど、
さまざまな美術展で、ウィーン美術史美術館の所蔵作品に出会うたびに、
ぜひ行きたい!と思っていたので、映画になったことを知り、とても楽しみにしていました。

名作の数々を、映画で見ることができると期待していたのですが、
実はそうではありませんでした。

けれど、期待以上に面白い映画でした!イメージ 1

『古いのは建物と美術品だけ』
『美術館の未来のためにブランド戦略が必要』

時代に沿った課題の元に、
美術館スタッフたちが、それぞれの職務に誠実に取り組む姿を描いたものでした。

館長から、絵画を移動させる人、美術工芸品を修復する人、庭仕事の人まで、
この美術館に関わるすべての人が、
とても自分の職場を愛していることが伝わってきます。

自分の職場に敬意を持ち、プライドと愛を持って職務に取り組むことが、
働く仲間同志の信頼関係を強め、人間関係をあたたかなものにするのですね。
そうしたことが素晴らしい仕事につながるということが、よくわかります。

美術館に誇りと愛を持って働く人々。
とくにプレスプレビューの際に、改装した美術館やポスター、ロゴなどを、
褒められたときの、美術史美術館の担当者たちの様子が、興味深く面白かったのです。
こういう会話の進め方、反応の仕方は、『ウィーン気質』?
ヨハン・シュトラウスの有名な曲を思い出しました。

プライドが高いことでも知られるウィーン人ですが、
世界的に評価される美術館を運営しているとあればますます…。
このあたりの雰囲気を、ぜひ映画をご覧になって感じてくださいね。
イメージ 2
丸福珈琲店 銀座喫茶室。銀座の東急プラザにあります。

雪の日に訪れたホテルザッハの、ウィンナコーヒーとザッハトルテ気分で、
銀座の街を見おろす大阪発のコーヒー屋さんで、とってもとっても濃いコーヒーと珈琲ロールをいただきました。
イメージ 3
クラーナハフェルメールカラヴァッジオ、ベラスケスなどの名画、豪華な美術工芸品、
世界最多を誇るブリューゲル・コレクションのある美術館ですが、
映画の中で、美術品は紹介されません。

けれど、ほとんどが美術館内の映像ですので、背景であったり、修復作業だったり、運搬中だったりする中で、所蔵品を垣間見ることができるのです。

展覧会で見る美術品とは違う顔です。
それがとても新鮮!

動いている(移動させている)「バベルの塔」を見たときの不思議な感覚!
自分と同じ時間の中にいることが感じられて驚きと同時に嬉しくなりました。
膨大な時間の中を、こうして作品は生きてきたのだ、そしてずっと生きていくのだと思いました。

映像の素晴らしさは圧倒的です。
どこを映しても、まさに絵になるのですから。

類を見ない美術関連の映画ですので、ぜひお見逃しなく。

来年1月公開予定の、オーストリアの画家『エゴン・シーレ 死と乙女』も楽しみですね。