「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語」展は28日(日)までです

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

人物作品が多いヴァラドンですが、
このリラの絵も素敵!
母と違いユトリロは風景ばかり描いていたのですよね。

イメージ 4

イメージ 5
こちらはおなじみのユトリロ
空の色の美しさ!
白という色を知り尽くしたからこそ
出せる色なのではないかしら。
生涯、母の愛を求めた
孤独なユトリロの心の透明度に、胸が痛くなるのです。



パリの風景を詩情豊かに描いたモーリス・ユトリロ(1883年~1955年)と、
ユトリロの母で画家のスュザンヌ・ヴァラドン(1865年~1938年)
の展覧会です。
ヴァラドンの作品は日本で見る機会はほとんどないそうです。

初めて見るヴァラドン写真。
しっかりした顔立ちの美人です。
スタイルも良く社交的でもあったそう。

10代後半からサーカスの曲芸師をしていましたが、
けがで引退してから、
シャバンヌ、 
ルノアール(都会のダンスのモデルはヴァラドンらしい。確かにお顔が似ています)、
ロートレックのモデルをし、
恋愛関係になっています。
ドガのモデルもしましたが、ドガとはただの師弟関係だったそう。
また、作曲家のエリック・サティはヴァラドンのストーカーになってしまったそう。
ユトリロのお父さんは、多分ルノアール
ということは知っていましたけれど、
それどころではない華々しさ!

モデルをするうち、絵を描くようになったわけですが、
これが素晴らしくてビックリ。

ヴァラドンの、ユトリロを描いたデッサン作品は見たことがあるのですが、
油画は初めて。
とても大胆でインパクトがあって魅力的で驚きました。

27歳のときの作品、初めて描いた油彩画<編み物をする若い女>は、
セザンヌっぽい色で、黒い輪郭線はドガの影響かしら。
人物の絵が多いです。
デッサンの名手・ドガをうならせたという正確なデッサンの線は、
太くはっきり描かれています。
自信がみなぎる、迷いのない線!
40作品、すべて見応えがあります。

絵の才能があったヴァラドン
親が画家だったのかしら?
と思ったのですが、
父親はわからないのだそうです。
ヴァラドンに似ているとしたら、
なかなか立派な良いお顔でしょう。
それなりに地位のある人だったのかもしれません(まったくの想像です)。

6月13日より恵比寿ガーデンシネマで、
                      マネのモデルであり
                   19世紀印象派の画家であった
ベルト・モリゾの映画が始まりますが
ヴァラドンのドラマチックさも、映画にぴったりのドラマチックさ。
サーカスの少女から、
有名画家のモデル、
息子は有名な画家で自身も画家、
奔放な恋愛の豊富さ(ユトリロの友人と結婚もします)、
息子へのネグレクト。
息子の母への思い、
などなど。

ユトリロの作品に影響を与えた、
ヴァラドンの作品をぜひご覧になってくださいね。
いきいきとしたヴァラドンの絵は、
絵を描くことの楽しさを教えてくれる気がしました。

ユトリロの素晴らしさもあらためて知ることができる展覧会です。