柴田悦子画廊「松谷千夏子展」29日までです。

湘南美術アカデミーの日本画講師松谷千夏子先生の個展「Foregroundー近景ー」が、銀座の柴田悦子画廊で開催されています。

『筆の線と鉛筆の線、どちらも私にとって大切です。ものの輪郭は曖昧で捉えどころがありませんが、無数に引かれた線と意図的な余白のせめぎあいから浮かび上がるイメージを拾い上げ、形にすることが出来ればと思っています』松谷千夏子


線の魅力と余白の魅力は松谷先生ならでは。一本の線を引くこと、余白の配分を決めること、、清潔な美しさが際立つ松谷先生の作品に、どれほどの熱量が込められているのかしらと想像します。

柴田悦子さんは、多摩美時代からのお仲間だそう。
松谷先生の作品で満たされた柴田悦子画廊には、自由な空気が流れています。

 版画の技法をとりいれた小品や、日本画の技法「垂らしこみ」が用いられた作品は初めて見たものでした。とても素敵です!
松谷先生の作品には、これまで低温の気持ちよさを感じていたのですが、今回は体温を感じる!ふわっとあたたかい何かが通り過ぎたような感じ。作品との距離が少し近くなった気がしました。

「Foregroundー近景ー」では、女性像を中心に、コロナ禍の暮らしの中で描くようになった庭のレモンや花や猫が、計算しつくされた線と余白で、とどめられています。

「東京アートアンティーク」と合わせて、ぜひお出かけください。

ただいま東京アートアンティーク「日本橋 京橋 美術まつり」開催中です。なんとなく扉を開けにくかった、あの画廊、あの骨董店に入ってみる、よい機会ですね。