《加彩 婦女俑》(かさい ふじょよう)。中国、唐時代の美人像で「MOCOのヴィーナス」といわれています。(モコはThe Museum of Oriental Ceramics, Osaka)。正倉院宝物の《鳥毛立女屏風》の美女は、この唐美人の姿が反映されたもの!ふっくら優しいかわいい女性は、長年この時代の理想の美人が描かれたものだと思っていたので、唐美人だったとは驚きです!
《木葉天目茶碗》こちらは木の葉の最高峰!本物の桑の葉です。桑の葉は禅とつながるものだそう。「天目」とは、黒い釉薬のかかった茶碗のこと。日本の僧侶たちが中国の天目山に臨済宗の修行に行き、寺院で使われていた黒釉茶碗を持ち帰ったことから、黒釉茶碗が「天目」と呼ばれるようになったそうです。
泉屋博古館東京で「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」を見てきました。
安宅コレクションから国宝2件、重要文化財11件を含む名品101件を選び、珠玉の東洋陶磁が並びます。
安宅産業株式会社の安宅英一氏(1901-1994)の審美眼、美意識で選びぬいた東洋陶磁による「安宅コレクション」の散逸の危機を救ったのが大阪を基盤とする住友グループでした。
ただいま大阪市立東洋陶磁美術館は、2024年のリニューアルオープンに向けて休館中です。
館外で観ることのできない名品を東京で見る貴重な機会なのです。
展覧会の構成は
第一章 珠玉の名品
第二章 韓国陶磁の美
第三章 中国陶磁の美
エピローグ
中国陶器、右上の盆は、北宋時代末期の汝窯(じょおう)の青磁の水仙盆です。雨上がりの湿った空の色といわれる、薄い水色がなんとも美しい!
中国陶磁の最高峰と呼ばれる青磁、汝窯は20年くらいしか生産されていません。そのため数が少なく現存しているのは世界で90点。その一点がこちらなのです。釉薬の中には瑪瑙(めのう)をすり潰して入れているそう。
『中国陶磁 美、それは完璧であること』
『韓国陶磁 美、それは自然であること』
安宅氏セレクションの中国と韓国の「美」を味わいましょう。