そごう美術館開館30周年記念「生誕120年 鈴木信太郎展」

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そごう美術館開館30周年を記念したコレクション展、生誕120年 鈴木信太郎展」を見てきました。
戦前から戦後にかけて二科会を中心に作品を発表し、昭和の洋画壇で活躍した鈴木信太郎(1895-1989)。
「色彩家(コロリスト)」「親密家(アンティミスト)」と称された、
鮮やかな色彩で、風景や静物など、身近なものを描いた作品が、
油彩作品を中心に約80点並びます。

八王子の裕福な生糸を扱う商家に生まれましたが、幼いころに病気で足が不自由になってしまいます。両親の勧めもあり絵画の道へ進み、杖や車椅子で国内のさまざまなところに出かけ絵を描きました。

カラフルなのに落ち着いた色彩は、モダンです。昭和の家庭の、洋間に似合うようないくつかの絵に、なつかしさを感じました。

特に私が好きだったのは「靴屋」1931(昭和6)年 油彩・カンヴァス。
ヨーロッパの街角にあるような雰囲気の靴屋さんで、
何足もの靴が飾ってあります。とてもオシャレな作品です。
たくさんの靴が「お好きな靴を選んでね」と呼びかけてきます。
こんなにもこの作品に惹かれるのは、もしかしたら足の不自由な作者の、靴への思いが伝わってくるからかもしれません。

鈴木信太郎は、今回初めて知った画家だと思っていたのですが、見ている途中で、学芸大学駅近くのケーキやさん「マッターホーン」の喫茶室に掛けられていた絵と同じなのでは・・と感じ、
あとで調べてみましたら、やはり鈴木信太郎さんの作品でした。
1度見ただけですが、少しクラシカルな雰囲気のある喫茶室によく合う絵で、やはりなつかしさを感じたことを覚えています。クッキーの缶のお人形も鈴木さんの絵です。

「ノーベル医学・生理学賞」を受賞された大村智博士も鈴木信太郎作品のファンで、韮崎大村美術館にコレクションの展示があります。
10月23日(金)~11月15日(日)まで、韮崎大村美術館の協力で、
大村博士のコレクションが一部展示されるとのこと。
博士のお人柄に魅了されていた私としては、ぜひとももう一度、展覧会を見たいものです。

見終わった後も、ずっと心をあたたかくしてくれる展覧会です。
ショップには、作品のモチーフによる可愛らしいオリジナルグッズも並んでいます。
11月15日までですので、ぜひお出かけくださいね。