「ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝」


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f:id:artyuriko:20191221111128j:image 川崎市アートセンターで「ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝」を見てきました。初めて訪れた映画館(小劇場)です。

新百合ヶ丘の駅からすぐのところにあります。

 

「世界随一のゴッホの個人コレクター、ヘレーネ・クレラー・ミュラー夫人の目を通して、ゴッホを描いたドキュメンタリー。
フィンセント・ファン・ゴッホ作品の個人のコレクターとしては最大規模となる約300点を収集したヘレーネ・クレラー・ミュラー
オランダ有数の資産家で、4人の子どもの母親でもあった彼女は、娘が通っていた絵画教室で芸術に接し、絵画のコレクションをスタートさせる。
ゴッホ作品を中心とした彼女のコレクションは1938年にクレラー・ミュラー美術館として結実した。
本作ではゴッホ研究の第一人者であるマルコ・ゴルディンの監修により、修業時代から自殺の直前まで変化し続けたゴッホの作風を波乱の人生と重ね合わせて解説。
ゴッホとヘレーネが残した膨大な手紙から、芸術と人間の生を探究する2人の深層に迫っていく。
ガイド役として「人間の値打ち」「歓びのトスカーナ」で知られる女優バレリア・ブルーニ・テデスキが出演。」

2018年製作/90分/G/イタリア
原題:Van Gogh - Tra il grano e il cielo
配給:アルバトロス・フィルム


 ゴッホの絵に純粋に共感してコレクションしたヘレーネ。ゴッホの死後20年からコレクションを始めたということです。交流がなかったのが残念です。


ゴッホ、ヘレーネ、それぞれが残したたくさんの手紙を紹介しており、ゴッホが主にテオに宛てた手紙からは、芸術に対する思いや心情が伝わってきました。

ヘレーネについては、資産家の妻ながら狭い部屋で小さなベッドに寝るというゴッホに影響を受けたライフスタイルを持っていたことなどからも、ゴッホに心酔していたことはわかりましたが、どのような苦しみをもってゴッホに共感したのか、などヘレーネ自身のことをもう少し知りたかったです。

ゴッホの画風の変化を、時代別に説明しているのが、とてもわかりやすくてよかったです。たくさんの作品を細部まで見ることができるのがこの映画の魅力!
ミレーの影響を受け農民を描いたオランダ時代、ルノワールやモネなど印象派の画家たちから色彩などを盗んで自分のものにしていったパリ時代、渦巻やうねりなど、力強いタッチを確立したアルル時代、最後のサン・レミ時代には、大きなうねりがなくなっています。

 

こちらの映画は終わってしまいましたが、

1月25日から31日までは「エッシャー視覚の魔術師」が上映予定です。

 

湘南美術アカデミー