ホールの彫刻はこちらになっていました。
ホール展示の写生帖
最後の四条派といわれた木島櫻谷といえば「寒月」や「四季連作屏風」などが思い浮かびます。
清らかな色使いで心地よく安らか。作者の知性とモチーフへ向ける眼差しの深さが伝わってくるような温かさを感じます。
それは写生の賜であったことを知る展覧会でした。櫻谷が生涯写生を基本にした画家であったことが分かる、たくさんのスケッチブックの展示や、「おうこくのせん」の解説つきの作品により、おうこくのせんをしっかり見ることができます。
日本画において画家が線一本に込める思い、その重要さはわかっているつもりでしたが、どの部分をどんな線で表しているのか、さまざまな線を見ることは、とても勉強になりました。
「写生する線のスピード感と臨場感、本画の息の長い繊細な線からフリーハンドによる粗放ながら的確な線まで、息を飲むほどに美しく、その大胆さには溜息をつくほどでしょう」
という紹介どおりに、木島櫻谷の線描の妙を味わえる展覧会です。
櫻谷文庫には674冊ものスケッチブックが残っているそうですよ。
線も素晴らしいけれど、線がないように見える「帰納図」の素晴らしさには感動!