Bunkamuraザ・ミュージアム「ミロ展 日本を夢みて」4月17日までです。

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ピカソと並ぶスペインの巨匠ジュアン・ミロ。
ミロの創作活動の裏側には日本文化への深い造詣があったのです。

作品の背景に浮世絵(ちりめん絵)を貼り付けたり、扇子を描いたりと、早くから日本への関心を持っていたミロ 。
1966年に東京国立近代美術館(京都へ巡回)で開催された大規模な「ミロ展」に合わせ、73歳で初来日をはたしました。
日本の書道の影響を受け、
墨のはねのようなタッチの線で描かれた作品は、漢字を自由なイメージに変換して描く、イマドキの書道のよう。

展示されている「大壺」も「ミロ展」に出展されたもので、ミロが寄贈したものだそう。このとき瀧口修造との友好を深めます。瀧口修造に贈り、瀧口修造がとても喜んだという絵も展示されていました。

ミロと相思相愛の瀧口修造・・・
シュルレアリスムの展覧会などで度々目にする名前です。

瀧口修造1903年~1979年)は日本の詩人、画家、美術評論家慶應義塾大学在学中に西脇順三郎教授および西脇を中心としたグループの影響でシュルレアリスムに関心を持ち、シュルレアリム理論を日本に紹介したという人なのです。

1930年にアンドレ・ブルトンの『超現実主義と絵画』を翻訳刊行。
1950年代から草間の創作を高く評価しており東京の画廊で個展を開催するようすすめたのも瀧口修造だといいます。ニューヨークのアートシーンで注目されるより10年も前のこと!

その後、草間彌生は入院生活があったりしますが、

それにしても日本でブームなったのは1990年ですから、瀧口修造のセンスというか、鋭敏なアンテナに驚いてしまいます。

見ていくうちに、ミロの描く、女性や花や星の意味をだんだん感じ取ることができるようになってきました。
モダングラフィックのクラスで勉強している成果でしょうか??
ミロの思考の工程はわかりませんが、モチーフに自分の持つイメージを重ね記号化する、ということをしてみたら、楽しいのではないかという気がしました。

アトリエにあった日本の民芸品や、
瀧口修造との交流を示す資料なども含め、
ミロの世界をつくったモノたちが並びます。

国内では20年ぶりとなる、待望の大規模ミロ回顧展。
充実した展示内容です。

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マドリードの傑作とされる
「絵画(カタツムリ、女、花、星)」は56年ぶりに来日!
ミロって楽しい!

湘南美術アカデミー