彫刻家のライブデッサンVol.5_カンボジアの仏像を鉛筆で描く  

ライブデッサンも5回目となりました。

彫刻家のライブデッサンVol.5_カンボジアの仏像を鉛筆で描く  

 

これまで学んだ、球、立方体、円筒の三要素の応用で描けるモチーフです。

石膏像と違ってブロンズ像はブルーグレーという濃い色をしているので、
やわらかめの鉛筆を使います。
H、HBは使わず、主に、3B、4B、5Bで。

 

慌てて輪郭線を引かないように、さぐりの線を入れ、
線ではなく濃淡で、ラインをあぶりだしていきます。
線遠近法と、空気遠近法をブレンドしたテクニックを学びましょう。

 

顔は、似せることよりも正確に描くこと。部品の配置を正確に見ることです。
それぞれの部品の中での明中暗をつくっていくことで、顔をあぶりだしていきます。
 
一か所に集中せず、全体をまんべんなく、割り振りしながら描いていきましょう。

 

カンボジアというのは98%の人が、仏教を信仰しているという国で、
この仏頭は、昔の生徒さんが旅行のお土産に買ってきてくださったものだそうです。
三木先生によると、この像は良くできていることから、おみやげ物としてではなく、全身像として作られて、どこかの寺院などに置かれていたのでは?ということです。

 

カンボジアのブロンズ像について調べてみると、

島津法樹さんの「損する骨董得する骨董」というコラムに出会えましたので、
一部抜粋させていただくと、

カンボジアのブロンズ作品は文句なしに世界最高峰だ。
この地ではBC2世紀からADごろに始まる金工技術を持っていた。
その基盤の上に5,6世紀頃インドの
優れた仏・神将の製作技術が加わった。
優れた仏師が心打つ作品を作り出している』

カンボジアの彫刻の歴史が、わかりやすく紹介されていて、楽しめます。

 

この仏像がいつ頃の作品なのかはわかりませんでしたが、優しく気品のある表情は、いにしえのカンボジアの人々の信仰心を教えてくれます。
カンボジアといえばアンコールワットですが、当分行けない状況ですので、
仏像と対話しながらデッサンをし、カンボジアの人々の思い、歴史の空気を感じてみましょう。

 

湘南美術アカデミー

 

 

 

 

 

彫刻家のライブデッサンVol.5_カンボジアの仏像を鉛筆で描く