三井記念美術館「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」展開催中です。

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日本橋の[http://www.mitsui-museum.jp/:title=三井記念美術館で「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」を見てきました。

新春恒例の円山応挙の「雪松図屏風」と、令和改元にちなんで、
皇室に関する品が展示されています。

明治20年(1887)に京都御所御苑で、16回京都博覧会が開かれました。
会場に設けられた茶席で、京都に滞在中の明治天皇両陛下を迎え、三井家が亭主となって献茶が行なわれました。
その茶席に立てられたのが、この「雪松図屏風」なのです。


知人が、「一本の松の上の部分が左隻、少し下の部分が左隻に描かれているのね」と言います。
何度も見ている「雪松図屏風」ですが、一本の松だと思ったことがなかったので驚いて「どうしてそう思ったの?」と聞いてみると、
「お重に描かれた絵は重ねると一本の松になるでしょう。そんなふうに見えたから」
正解は、右隻が力強い老松、左隻が細い若木の松ということです。
でもお重のように重ねてみると、確かにモチーフは一本の松のようにも見えてきます。

藤原定家の書による掛け軸、永樂和全の天目茶碗も展示されており、
「雪松図屏風」の立つお茶席の雰囲気を感じ取ることができます。


柴田是真、横山大観小林古径など、帝室技芸員の作品の展示もあり、中でも
安田靫彦の<草紙洗小町>昭和17年(1942)の、美しい線、形、色彩、小町の表情に心惹かれました。
草紙洗小町とは,同名の能の中の、小野小町が歌の書かれた草子(本)を水で洗い流す場面を描いたものです。
宮中の歌合わせで、小野小町の相手となった大伴黒主は、小町の詠歌を盗み聞いて万葉集に書き入れ、
古歌だと主張しましたが、小町が草子を洗うとその歌の文字が消え、潔白を証明できたというお話。

「国宝 雪松図屏風」「国宝 志野茶碗(銘卯花壇)」
1月30日(木)までです。

湘南美術アカデミー