風景画家としてスタートした昭和20年代以降、
ユニークな構図と造形美で新しい時代の日本画に挑戦し、日本各地を描いた魁夷。
昭和40年代には、東宮御所と
皇居宮殿の2つの壁画を作成、川端康成の勧めで着手した
「京洛四季」を通じて、日本の四季の移ろいと自然美の
伝統的な表現へと回帰していきました。
誰もが目にすることができるようにと
宮殿の絵画と同種の作品制作を
画家に依頼したそうです。
魁夷の≪満ち来る潮≫が、館内中央で迎えてくれます。
象徴的な白い馬がいる≪春を呼ぶ丘≫など代表的名作品も並びます。
魁夷の画業の同程を知らせてくれる、
『 心を鏡のようにして自然を見ておいで』
という言葉が、私の心に今も響いています。