ジョブスの美の原点 損保美術館「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」展 12月26日までです。

新しくなった損保美術館で「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」展を見てきました。

平塚美術館の川瀬巴水展と、違った企画で、こちらも魅力がある展覧会でした。


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左側の作品は、Appleの共同設立者の一人であり、アメリカの起業家、実業家。工業デザイナーであるスティーブ・ジョブスも持っている一枚です。

ジョブスは10代の頃に巴水の作品に出会っていたそうです。カリフォルニア州サニーベールに住む友人ビルの家の居間に巴水の作品がかかっていたのです。
ビルの祖父のバンビさんの父親が1930年代の大恐慌の頃から
シカゴの職場に行く途中の画廊で巴水の作品に一目惚れし、買い集めたもの。

「シンプルがいい。この美的センスが好きだ。この感性が好きだ」と、スティーブはバンビさんに、3点の巴水の新版画を分けて欲しいと頼んだそうです。

「巴水こそジョブスの美の原点」と、ビルは言います。
「 あれがすべての始まりだった。10代で出会った新版画から受けたインスピレーション アップルでつくった製品に表れている シンプルさとエレガントさへの愛着が表れてている」

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アップル社のマッキントッシュを専門に扱う雑誌の創刊号に、
樋口五葉の「髪梳ける女」を元にした画像が使われています。

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写生が何点かありましたが、どれも素晴らしいのです。
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右が巴水。左に摺師の斧銀太郎。
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スティーブ・ジョブスの美の原点を、ぜひご覧ください。
ビジネスマンの方にも、ぜひご覧いただきたいです。

湘南美術アカデミー