国立新美術館で「佐藤可士和展」を見てきました。
日本を代表するクリエイティブディレクターとして知られる佐藤さん。
セブンプレミアムの商品パッケージも今治タオルのマークも、くら寿司のロゴも、
ユニクロの看板もTポイントカードも。
どれも記憶に残り、ついつい手に取り、心にフィットし生活の一部になっているブランドロゴたち。
自分がこれほどにも多くの、佐藤可士和(さとうかしわ 1965年~)作品に触れて、日々を送っていたことに驚きました。
素材の良さから、普段使いに購入していた今治タオルに、ある時からロゴマークがついて、それはディスプレイにも使われて、
百貨店のタオル売り場でも今治タオルがひときわ目をひくようになりました。
清潔なタオルのような真っ白な背景に、そのブランドロゴはとても目立って、
地味だけど質のいいご当地ブランドのタオルという印象から、
商品の良さにオシャレ度と信頼感が加わり、ギフトとしての魅力を持ったことを覚えています。
この展覧会をより深く楽しむためには、ぜひ音声ガイド(無料)を利用してくださいね。
解説は佐藤さんご本人です(落ちついたトーンの良いお声です!)。
作品誕生にまつわる佐藤さんの思い、ブランドロゴ戦略のhow-toなど、
デザインの仕事ではない方にも、刺激になるお話が満載です。
従来の広告戦略を革新する手ごたえを感じたという、
博報堂から独立した2000年代に手がけたスマップのプロモーション、
2003年、楽天の三木谷さんの、経営の真ん中にデザインを置くという考えから、Rをシンボルに。
Rというロゴには多数の事業展開をする、楽天の無限の宇宙が込められているというお話。
2006年、ユニクロが本格的にグローバル展開するにあたり、柳井さんに聞いたことは、日本発というイメージをエッジにするかどうか、ということ。
日本ならではの美意識で世界と戦うということでロゴデザインを考えたそう。ブランドの本質を掴むことが重要なのだそうです。
そしてパリ、NYなど都市の町並みを思い浮かべながら、直感的に浮かんだのがカタカナ。外国人が読めるように英語も合わせたものが、今のユニクロのロゴマーク。
優れたクリエィティブディレクターは、自身のブランド価値を表に出さずとも、
こうしてブランドになっていくのだなー。
圧倒的な「佐藤可士和ブランド」のすべてを体感できる展覧会です。
湘南美術アカデミーのモダングラフィック技術講座でも、
レタリングの授業に続き、ちょうどブランドロゴ作成の授業をしたところです。
またご報告いたしますね。
湘南美術アカデミー