出光美術館で開催中「仁清・乾山と京の工芸 ―風雅のうつわ-」

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を見に行ってきました。
 
『京焼は野々村仁清尾形乾山によって大きく開花した焼物です。
彼らは政治・経済の中心地が江戸に移る時代に
「やきもの」で京ブランドを確立しました。
仁清の絢爛たるデザインは公家文化の優雅さや大名たちの憧れをかきたて、
乾山のやきものは都市内部で作り手と使い手の顔に見える関係の中で育ちました。
和歌や能の文学意匠によって人々が心通わせた
「コミュニケーションの工芸」としての京焼を通じて
やきものにおける「京」とは何かを探る内容となっています。』HPより
 
「やきもの」で京ブランドを確立した野々村仁清尾形乾山の作品から、
今につながる京都のブランド性がよくわかりました。
江戸が政治・経済の中心地として発展していく中、重厚な文化が作られていた京都。
うつわを通して「京」の本質をたっぷり見せられ、
京都の人の内に培われているものの大きさを思いました。
 
野々村仁清の「白釉耳付水指」や「銹絵富士山文茶碗」にみるような、
白釉や銹絵(さびえ)の清潔さ。
仁清の銹絵の美しさにうっとりし、銹絵とは何かを調べてみましたら、
黒褐色の酸化鉄(鉄釉)で下絵したものだそうです。
「色絵鳳凰文共蓋壺」(重要文化財)や「色絵芥子文茶壺」(重要文化財)は
贅沢で豪華絢爛。

尾形乾山の「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」(重要文化財)は
素朴な雰囲気ながら、目が離せなくなる魅力がありました。
波の音、松の匂い、砂の手触り、自分もその場に立っているよう。
四角形の箱と蓋で、
3Dどころか4D(+音声)5D(+時間)まで感じさせてくれました。
 
尾形光琳「茶碗絵手本」という、弟の乾山宛に送った絵手本の一部がありました。
光琳の絵をうつわに描くのは難しいことだろうと思っていたのですが、
ちゃんとお茶碗の形の中に絵が描かれているお手本でした。
とてもわかりやすい!弟思いのお兄さんだったのですね。
それにしても光琳の書いたお茶碗のライン、これが美しいのです!
 
「色絵百人一首和歌角皿」や「色絵能絵皿」などの
乾山焼(けんざんやき)の懐石の食器は、
文芸の世界が文様と文字で表されたものです。
一部を隠して当てさせる遊戯があったそうですが、
教養が計られる遊びですね。
京都にはぶぶ漬けの風習があると聞いていますが、
こうした部分も「京」らしい気がします。
 
豊富な陶片、ルオーやムンクの作品も見たあと、
最高の眺望の休憩スペースで、サービスのお茶をいただきました。
 
丸の内をお散歩し、ランチは丸ビル5階、
ヘルシーで美しいベトナム料理のカサブランカシルクで。
エレガントなリゾート感のある店内からは東京駅がのぞめます。
 
とても見ごたえのある展覧会ですので、ぜひお出かけくださいね。