国立新美術館「ルーブル美術館展」 9月3日(月)までです。

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古代エジプトギリシャ時代から近代まで、日本に居ながら100点以上もの、
絵画・彫刻・工芸など、幅広い分野のルーヴルの「顔」を見ることができます。

27年ぶりに来日した、ルネサンス最盛期のヴェネツィアで大活躍した巨匠・ヴェロネーゼの《女性の肖像》、
今回のポスターにもなっている、通称《美しきナーニ》は、どこに立っても見る人と視線が合わないと言われているので、試してみましたが、やはり合いませんでした。
白くふくよかな肌が美しいナーニ。藍色のビロードのドレス、肩に纏ったレース、アクセサリーなど身につけるものが繊細に描かれています。

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彫刻は2000年、3000年前のものが並んでいます。
ローマ中期の歴代皇帝たちの胸部像は、2000年前のものだとは思えないほど洗練されています。
2000年前に、この技術とセンスが確立されていたとは、ちょっと驚きです。

フランチェスコ・アントンマルキ《ナポレオン1世デスマスク1833年も、見どころです。
息をひきとった後、イギリス人の主治医が石膏でデスマスクを作成し、こちらはその後にできた複製とみられているそうです。
ナポレオンは作品によって、顔が違うので(ダヴィッドの白馬に乗るナポレオンは凛々しいです)、本当の顔は???と思っていましたが、このデスマスクを見ると美しい顔立ちでした

《ボスコレアーレの至宝 エンブレマ型杯》も目をひきます。
銀と思われる杯の中央に、男性の胸像が打ち出されているものです。
胸像を作って乗せたのではないかと思うほど立体的なのです。
2000年前、古代ローマ人はこれほどの技術を持っていたのですね。

彫刻だけでなく、工芸、絵画も充実!レンブラントゴヤダヴィッド、アルチンボルドなども見ることができます。
人に歴史あり、顔に歴史あり!「ルーブルの顔」を通して、芸術表現の歴史にふれることができたことが最大の喜びです。