
文化村 ザ・ミュージアムで、オットー・ネーベル展を見てきました。
オットー・ネーベル???
「知られざるスイスの画家」なのです。
バウハウスで教鞭をとっていたゲルトルート・グルノウのアシスタント、
クレーやカンディンスキーと知り合い、制作への多大なインスピレーションを受けました。
また生涯に渡る友情も育みました。
けれど、最も魅力的に感じたのは大聖堂のシリーズ。
建築専門学校で専門技術を学んだ、ネーベルならではの作品だと思います。
配色と構図が素晴らしく、一部しか描いていないのに、荘厳な大空間を感じさせる説得力抜群の作品です。
厚く絵具を重ねた、絵の質感も独特です。

また、『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』にも感心しました。
ネーベルが1931年にイタリアを旅した際に、
その景観を自身の視覚感覚によって、色や形で表現した色彩の実験帳です。
『若き日のバウハウスで、妻の師であったゲルトルート・グルノウの「感性調和論」の教えに傾倒していたネーベルは、色彩、音響、動作の根本的な関連性を捉えるために感覚器官を研ぎすませるメソッドを学んでいた。
イタリアでの体験はまさにそのメソッドの実践の場となったのである』
このノートも本当に美しいものです。色彩を群を見るだけで、街の様子が浮かんでくるよう・・・。
ぜひ見ていただきたいです。
