汐留ミュージアムで、
「マティスとルオー展 ―手紙が明かす二人の秘密―」展を見てきました。
半世紀に及ぶ交流を手紙でたどる展覧会です。
2人は、1890年代半ばパリの国立美術学校(エコール・デ・ボザール)の、モロー教室の同級生でした。
「目に見えないもの、感じるものだけを信じる」という言葉を残した
象徴主義の高名な画家・ギュスターヴ・モロー(1826—1898)。
このモロー先生は、自分の描き方を押し付けることなく、生徒の才能を伸ばし、
マティスへは「君は絵画の世界をシンプルにしていくだろう」、
ルオーへは「君は宗教的なものを絵画の中に見出していくだろう」と、
予言のような言葉を残したのだそう。
自由な女性を象徴する堂々とした女性の姿を、
全く異なる画風を確立したマティスとルオーですが、深い友情に結ばれており、
マティスが亡くなる前年の1953年まで、断続的ながら実に約半世紀に渡って手紙のやりとりを続けました。
手紙と140点の作品を通して、2人の友情が生き生きと立体的に伝わってくる、感動的な展覧会です。
椅子に座って、マティスの部屋に招かれたような写真がとれる撮影コーナーもあります。
最近、撮影できるものを設けた美術館が増えて楽しいですね。