歴代館長と親しかったことから、土牛の戦後の院展出品作のほとんどを所蔵。
質・量ともに最高峰の土牛コレクションを持つ山種美術館。
今回は、他館所蔵の名品とあわせ、《醍醐》《鳴門》など粒揃いの作品を展示。
土牛の初期から晩年の代表作を一堂に鑑賞することができます。
土牛(とぎゅう)という雅号は、出版社を営んでいた父親が、
寒山詩の一節「土牛石田を耕す」から名付けたものだそうです。
《醍醐》は、いつ見ても目を奪われます。
桜の色、幹の色、すべての色がたまらなく美しい。
そして見るたびに、こんなに小さいサイズの絵だったかしらと思うのです。
私の頭の中で、《醍醐》は、本物の、醍醐のしだれ桜くらいの、大きな絵になっているのです。
清潔で涼やかで温かくて・・・日本画の素敵なところがいっぱいの土牛の作品。
花も犬も猫もうさぎも鹿も、なんとも可愛くいとおしい。
80歳を超えてなお「死ぬまで初心を忘れず、拙くとも生きた絵が描きたい」と、
地道に画業へ専心し続けた土牛の清らかな心が伝わってきます。
5月22日までですので、お見逃しなく。
世界に1台だけ、一日一往復しかしていないのですって。ラッキー!
草間氏の絵はアルピコ交通(株)のHPでご覧下さいね。