「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」展は4月4日までです。

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大原美術館は、岡山県倉敷市の大実業家であり、社会貢献や福祉の分野にも多大な足跡を残した
大原孫三郎(1880-1943年)が
1930年に倉敷に創設した、西洋美術を紹介する日本初の美術館です。

岡山県出身の画家である児島虎次郎(1881-1929年)が、孫三郎の支援と理解を得てヨーロッパで収集した美術品の数々を見ることができます。

最初に買いつけたのは、エドモン=フランソワ・アマン=ジャン(1858-1936)の「髪」。
(アマン・ジャンが活躍し始めたのは第1回印象派展が開催されたころです。最後の印象派展といわれた時代)

とっても素敵な絵です。優しい表情の二人の女性がいて、一人が髪を梳いてあげているのです。
私はこの絵に、孫三郎と虎次郎の友情を感じました。

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大原美術館と湘南美術アカデミーには深いつながりがあります。

大原美術館の創設者の大原孫三郎は、岡山大資源植物科学研究所の創設者でもあります。

昨年、岡山大資源植物科学研究所より依頼を受け、
彫刻家 三木勝が、孫三郎氏のレリーフを作成したのです。
今年の2月に、完成式典が行われました。

詳しい内容は山陽新聞でご覧下さいませ。

制作の参考にした、設立当時の孫三郎の写真では、燕尾服の様子がよくわからなかったので、
新宿にある文化服装学園服飾博物館で、学芸員の方にお話を伺ったり、
歴史資料である衣装を見せていただいたりして、完成させたものです。

大原美術館コレクション展は、見どころいっぱいの展覧会でした。

エル・グレコの「受胎告知」もきていますよ。
「受胎告知」は、孫三郎がパトロンとなった岡山出身の画家、児島虎次郎がパリのギャラリーで見つけ、
高額だったため、孫三郎に手紙を書き、送金を頼み購入したものです。

モネのアトリエを訪ね「睡蓮」を、マティスを訪ねて「マティス嬢の肖像」を購入した児島虎次郎。
ホドラー、クロース、ロダン2点、コッテ、フランドラン、ラ・トゥシュ、カリエール、
ゴーギャン、シャヴァンヌ、セガンティーニ、ミレー、モロー、ルドンなども買い付けました。

1929年、児島が他界し、とても悲しんだ大原が、児島の功績を記念する意味で、
その翌年に大原美術館を開館しました。

西洋近代美術のほかにも、日本近代洋画、民芸運動ゆかりの作家たちの作品、
エジプトやオリエント、東洋の古代美術、そして戦後美術から、現代美術家の作品まで、
多岐にわたるコレクションの中から、選ばれた作品が並ぶ、今回の展覧会。
児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」(1911年)は、とても華やかで美しい絵です。 

ぜひお出かけくださいね。
4月4日(月)までです。