「フォスター アンド パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」展

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六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催中の

『建築は軽やかさと自然の光の芸術である』

建築家ノーマン・フォスターによって、1967年に設立されたフォスター+アンドパートナーズは、
世界45カ国で、300のプロジェクトを遂行、日本の国宝建築に相当する建築物を生み出してきました。

彼らは「伝統と未来」「人間と環境」といった普遍的なテーマを追求し、
革新的なアイデアで建築や都市を創り続けています。

代表的な50のプロジェクトを、模型、映像、CG、家具、プロダクト、図面、スケッチなどの
資料により半世紀におよぶ仕事が紹介されていました。

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建築や都市創りという、私の知らない世界の大きさと魅力に圧倒されました。
そして、優れた建築というものは、都市の新しい形を創り、新たな価値を無限に生み出し、
さまざまな可能性を広げていくものなのだなーと感動しました。

また、優れた仕事を生み出すうえで、最も大事なことは、
メンバーそれぞれの知性、尊敬と愛情 なのではないかとも感じました。
内面にあるものが、世界に誇る形あるものになる素晴らしさ・・・。
フォスター+パートナーズに、心があたたまる展覧会でもありました。

私の感想はこれくらいにして、
今回は、泉ゆりこに代わり、経営学部に学ぶ女子大生に感想を書いてもらっています。


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フォスター アンド パートナーズの日本発の展覧会
「都市と建築のイノベーション」に行ってきました。

ビルの屋上で風船を受け取っているこどもの近くに立って、
空を見上げているスーツ姿の男性。

下の階のオフィスで働いている人なのでしょう。
ただ、なぜ昼間に屋上で、何もせず立っているのだろう。
この人は何を考えているのだろう。

私が見ていたのは、高さ30cmくらいの、商業施設の模型です。

私はこの模型で、何度も何度も視点の転換を起こしました。

ビルの各階には、3cmほどの小さな小さな人の模型があります。
ひとつひとつに色がついていて、着ている服、ポーズが違います。
それぞれの人の目にはどんな景色が映っているのでしょうか。

もう少し広く見てみます。
このビルには、オフィスと店舗が混在しています。
緑も多く、近隣地域の人はこのビルによって生活が豊かになるでしょう。
駅直結でアクセスが良く、遠方からも人が来るでしょう。

さらに広く見てみます。
このビルは、空調効率を良くするための設計がしてあるようです。
きっと、地球にも優しく、多くの人に長く愛される建物になるでしょう。

このように、ひとつの模型には、
建物を使う人々の気持ち
建物があることで地域社会に与えるベネフィット
建物自体が地球に及ぼしうる影響
など様々な視点がぎゅっと詰め込まれていました。

よく、「様々な視点から考えよう!」と言いますが、
建物の模型はとてもわかりやすい例だと思います。
一度視覚化してみることで、目に見えることもあるかもしれません。


また、建築の構造は、持続性のヒントも意味しているように思いました。
大量消費社会、スクラップアンドビルドの時代が終わり、
「ひとつのモノを長く使う」時代が到来しています。
貝のような建物、背骨のような柱。
地球上に存在するからには、自然の摂理に則って建築をすることで、
結果的に強く、優しく、長くつづくものを生み出すことができる。

ということで、今回の個人的キーワードは、
「視点の転換」「自然と持続性」でした。

余談ですが、
経営を学ぶ私がなぜ全然詳しくもない展示会や美術館にいくのか。
「思考のゆらぎ」を起こすためです。
普段の生活で、
模型の中の人ひとりひとりの表情を観察することがあるでしょうか。
柱を見て、背骨と同じ構造をしているな、って思うでしょうか。
全然違う分野に、ぽんっ、と飛んでみて、
いつもの思考に波を作ってみる。
すると、「あ、これってあれにも同じことが言えるなあ。」
なんてことが増えていって、その波が日常になっていく気がしています。
こんなことを繰り返して徐々に思考の面積が増えていけばいいなあ。と。



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