同じ3階に、ミッドタウンデザインコンペの受賞作品の展示があります。
ミッドタウンのサントリー美術館で、
「着想のマエストロ乾山見参!」を見てきました。
尾形乾山(1663~1743)が、
京都の裕福な呉服商に生まれで、
尾形光琳の弟だということは知っていましたが、
なんと素晴らしい文化的環境!
着想のマエストロを生み出したのも納得です。
ヨーロッパの陶器に着想を得た作品、
中国・明代の「古赤絵」、
素朴で粗いタッチのベトナム陶器をモデルにした作品など、
さまざまなスタイルの乾山作品が並びます。
乾山の文人趣味が発揮された「錆絵柳文重香合」や、
見ごたえのある作品ばかり。
「蓮下絵百人一首和歌巻断簡」や、
王朝文化の象徴として主に大名などの武家に好まれた、
華やかな仁清の色絵陶器なども見どころです。
色彩豊かな乾山の懐石具の数々の、
光琳の意匠に基づいたという斬新なデザインは、
今見ても新しく、驚きがあります。
平面、立体、国内外にとらわれず、
器の枠組みを超えて一体化した乾山の世界。
「色彩龍田川文透彫反鉢」も美しかったです。
乾山のブランドマーク?のカッコよさにも注目です!
京焼の伝統に連なるも、
自身の高い芸術的素養で、
それまでにない造形を陶磁の世界へ取り入れた乾山。
文芸、陶芸、絵画などのジャンル、国境をも超えて
着想した乾山作品を、
お見逃しなく。
20日(月・祝)までです。