山種美術館で「松園と華麗なる女性画家たち」を見ました。(終了しています)
明治の京都下京に生まれ育ち、女性の目を通して「美人画」を描き、
1948年に女性として初めて文化勲章を受賞。
西の松園、東の清方と言われる、
あの上村松篁の母です。
松園の美人画には、一目で松園とわかる特徴的があると思います。
彩色、結いあげた髪の生え際、所作、すっきりした「美人」の顔立ち。
近づいて、よーく見ると、
目の周りや鼻筋に、うっすらと白いハイライトが入っています。
凹凸の少ない日本美人の顔に、光をつけて明るくすると、
清潔感のある涼やかな美人が完成!
メイクと同じですね。
真似はできないけれど、髪の結い方もいろいろで、おもしろい。
子供の時から様々な髪の結い方を考えては友人の髪を結っていたという松園は、
美に関心が高く、美しい人が好きだったのではないかしら。
松園の写真を見ましたら、松園自身も美人なのです。
松園の美人画は、どこか松園に似ています。
好んだと言われる、
簾(すだれ)、うちわ、ほたるや、
青と緑を混ぜて白を入れたような、
松園ならではの色が清涼感を感じさせる
<新蛍>は、
最高に涼しさを感じられる作品!
空間が広く、冬の空気や雪の重みも伝わるような
<牡丹雪>など、
うっとりするような作品を見ることができました。
そして、もう一人。南画家の大家、野口小蘋(のぐちしょうひん)。
南画はもともと中国発祥の絵画ですが、
中国の南宗画を基としながらも
日本独自の発展を遂げたため日本画の一種となったものなのだそうです。
作者の、真面目で丁寧な人柄を感じました。
この野口小蘋も<設色美人>という絵を描いています。
この美人は、やはりどことなく小蘋に似ています。
女性が美人を描く時は、
自分とかけ離れた顔立ちの美人ではなく、
自身の系譜にある美人なのだと思いました。
野口小蘋が10代の頃に描いたという
<上巳雛祭図>の丁寧さ、愛らしさにも心打たれました。
次回の山種美術館の展覧会は、
6月27日(土)より開催の
このたび、あらためて感じたのは、
日本画というのは、本当に清々しく、
暑さも忘れさせてくれるものだということ。
次回もぜひ見に行きたいと思います。