月岡芳年の「全盛四季冬 根津花屋敷 大松楼」12月23日

 横浜美術館にて、歌川国芳を中心とする約100年間の日本絵画の流れを一挙に紹介する「はじまりは国芳-江戸スピリットのゆくえ」が開催されています。

国芳はやっぱり面白いし、何とも言えないセンスのよさに圧倒されます。数日前にお目にかかった、ある美術館の学芸員さんが「江戸時代が大好きだったけれど今は安土桃山時代がとにかく面白くて・・・」とおっしゃっていたことを思い出しました。私もこの美術展を見て、安土桃山時代の文化・芸術も知ってみたいと思いました。

国芳の本領を最も受け継いだと言われる月岡芳年の「全盛四季冬 根津花屋敷 大松楼」が魅力的でした。雪の積もる庭と池が描かれ、手前に欄干でくつろぐ3人の遊女。右は座って三味線を弾く遊女で、左はやかんを火鉢に乗せる遊女、中央にはお盆に雪うさぎを載せた遊女がいます。遊女たちは皆笑顔です。雪をオムライスみたいな形にまとめ、葉っぱの耳と南天の目をつけると可愛い雪うさぎが出来上がるのですが、これは雪だるまと違った、おままごと的な楽しさのある作業です。遊女たちにとっても雪うさぎは子どもの頃の思い出につながるものではないでしょうか。この時代の活気や面白さをを楽しんでいる様子が感じられ、この場面の前後の遊女の姿が見えてきそうなほどいきいきした絵です。ポストカードなどが欲しかったけれど無くてとても残念でした!

明治時代に活躍した浮世絵師の水野年方(みずのとしかた)が町絵師から日本画家としての地位を確立した流れ、また五姓田芳流(ごせだほうりゅう)が和洋折衷の絵を描き始め、日本初の洋画へと繋っていく流れも見ることができました。2013年1月14日(月)までですのでぜひ。
 
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