「横浜美術館開館30周年記念オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」


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2020年01月13日

横浜美術館で開催中の
横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展に行って来ました。

オランジェリー美術館の所蔵する146点の内、ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨームのコレクション70点が来日しています。

アルフレッド・シスレー
クロード・モネ
オーギュスト・ルノワール
ポール・セザンヌ
アンリ・ルソー
アンリ・マティス
パブロ・ピカソ
アメデオ・モディリアーニ
キース・ヴァン・ドンゲン
アンドレ・ドラン
マリー・ローランサン
モーリス・ユトリロ
シャイム・スーティン

印象派とエコール・ド・パリの名品揃い!

アンドレ・ドラン「アルルカンとピエロ」も来ていますよ!
ドラン=フォービズムの画家だと思っていましたが、
古典回帰の時期もあったそうで、これはこの時期の作品だそうです。

ルソーの「婚礼」は、花嫁が空中に浮いているようだったり、犬の大きさと
形が不思議だったり。画面の隅々まで楽しめるのがルソーだと思います。
「ジュニエ爺さんの二輪馬車」も来ています。こちらには犬が二匹。
犬好きな私は、ルソーの素朴な犬が大好きで、いくら見ても飽きません。
どちらにもルソー自身が描かれているは、なぜかしら?

ドランとスーティンはあまり見たことがなかったのですが、今回はたくさん見ることができました。

フランス近代絵画が花開いた19世紀末から20世紀前半の名品に、うっとりしに出かけましょう。

 

 

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あの美しい人の正体は? 美しい肖像画に秘められたドラマを解き明かす | ダ・ヴィンチニュース

のレビューを書い際に少しふれた、マリー・ローランサン<シャネル>(1923年)も、今回の展覧会で見ることができました!
これはシャネルの依頼で描いた肖像画です。

美貌と才能を持ち、恋も財も名声も手に入れたシャネルの絶頂期の肖像画にしては、ずいぶん寂しげな絵ではないでしょうか。
しかも女優並みの美貌を持つシャネルとは、まったく似ていません(シャネル自身も「似ていない」と送り返したのです)。

ローランサンといえば、砂糖菓子のような柔らかく明るい女性像のイメージですが、これは寒色の画面で寒々しい。
首から体に巻き付いた黒蛇のようなストール、翼を閉じて飛ぶ鳥、転がっているように描かれた鹿のような動物、精気を感じさせない犬、裸の胸はのっぺり塗られています。
シャネルが嫌いだったの?嫉妬?と、悪意すら感じてしまう絵ですが、女性画家ならでは同性への鋭い観察力で、シャネルの内面の孤独や不安といったものを描き出したということなのでしょうか?

2人は同じ1883年生まれ。この絵が描かれた1923年は、どちらも絶頂期の40歳。
肖像画家としてパリ社交界に君臨していたローランサン、モード界の女王として「シャネル№5」を発表したばかりのシャネル。
20世紀初頭のフランスは男性社会、階級社会であり、女性の自立は現代とは比べ物にならないほど困難でした。
そんな時代に、己の才能一つで一世を風靡したのがこの二人なのです。

フランス中南部の田舎・オーヴェルニュの極貧の家に生まれ孤児院、修道院で暮らし、ムーランの洋裁店に勤め、自身の道を切り拓いた野心家のシャネル。
ローランサンも未婚の母に育てられ恵まれた生まれとはいえなかったそうです。
絵を送り返されたときに「しょせんはオーヴェルニュの百姓娘」とシャネルを自分よりずっと下位とみなす発言をしたことからも、この絵から、ローランサンのコンプレックスが窺えるような気がします。

ぜひ実物をご覧になってくださいね。

 

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横浜美術館のコレクションから 

ラウシェン・バーグ


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 ジャスパー・ジョーンズ


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 マティス


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 ジャン・フォートリエ


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 白髪一雄


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ジャン・デビュッフェ

 

アンフォルメル、ネオダダなど20世紀後半の芸術も楽しめます。