パナソニック汐留美術館「ピカソ ひらめきの原点」

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イスラエル博物館が所蔵するピカソの作品を中心に、70年にわたる創作軌跡を辿る展覧会です。

次々と画風を変えたピカソ
女性も次々変わっていきます。
《泣く女》 のモデルとなったドラ・マールや、

ピカソの愛人にしてミューズであったマリー・テレーズ。

40歳差カップルとして世間を賑わせた、21歳の画学生フランソワーズ・ジロー。
二人の子どもはクロードとパロマ
ピカソがとても可愛がっていたことが、家族の絵からもわかります。

現在長男のクロードはカメラマン、
パロマは洋服やバッグ、ティファニーのジュエリーや香水のデザイナーとして活躍しています。
パロマピカソデザインのジュエリーは、ピカソの絵の中から出てきたような、生き生きとした形のものが多く、とても素敵なのです。

ピカソが愛した代々の女性たちがモデルの作品が数多く展示されていました。

生涯に2000点を越える版画を残した
ピカソ

ピカソは1945年に刷り師フェルナンド・ムルローの工房でリトグラフを始め、毎日通ったほど熱中したそうです。

ムルロー工房といえばシャガールマティスやミロ、ブラック、レジェなども、リトグラフの質の高さに魅了されたという伝説の石版画工房。ピカソは400作品くらいをここで作ったといいます。

70年の生涯を通して注いだ恋愛と作品制作。ピカソの大きすぎるエネルギーと熱すぎる情熱が伝わってくる展覧会でした。

横浜そごう「魅惑のミニチュア ドールハウスの世界展」


現代日本ドールハウス作家さんの作品。
引き込まれるような奥行きの世界!

横浜そごう美術館で「魅惑のミニチュア ドールハウスの世界展」を見てきました。

箱根ドールハウス美術館より
イギリスヴィクトリア朝時代のドールハウスや世界のドールハウス
日本のドールハウス

現代日本ドールハウス作家さんの作品など、会場いっぱいに夢のような世界が広がっています。



ドールハウスは日本へも普及。
御殿飾りのあるおひなさまと水屋

茅ヶ崎市美術館「ヨーロッパ古典絵画の輝き」 6月5日までです。


「ヨーロッパ古典絵画の輝き -模写に見る技法と表現ーイコン画、イタリア絵画、フランドル絵画の技法と表現をさぐる」を見てきました。

ヨーロッパの古典絵画は、描かれてから500年以上経ちます。

ヨーロッパにおける絵画の技法は、イタリア、フランドル(現在のオランダ、ベルギー)の地域で15世紀頃に完成されたと考えられているそうです。ヨーロッパにおいてでさえ、古典絵画の技法は修復の専門家や研究者の間で継承され、一部の画家たちの創作に応用されているのみ、だそう。

日本で、こうした古典絵画を技法、材料の面からの本格的な研究が始まったのは、ここ半世紀ほどのこと。

この展覧会では、
美術史研究に基づいて、技法と表現から忠実に再現しつつも、日本の風土に合わせるために工夫、研究がなされた模写によるイコン画、15~16世紀のイタリア絵画、フランドル絵画などを見ることができます。

単なる模写とは異なる、原画を再現する技術によって制作された作品によって、ヨーロッパ古典絵画の技法と表現を、あらためて見つめることができました。


https://www.chigasaki-museum.jp/




カテリーナさん アトリエコンサート

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湘南美術アカデミーでは、
6年前より絵画や彫刻のモデルをお願いしている、ウクライナ出身のバンドゥーラ奏者・カテリーナさんを応援するコンサートを開催いたします。

当日は、彫刻家・三木勝の彫刻や絵画、生徒さんによる、カテリーナさんがモデルの作品を並べ、販売もいたします。

珍しい楽器バンドゥーラの響きと、カテリーナさんの透き通る歌声がアトリエに広がります。

ぜひお早めにご予約ください。

湘南美術アカデミー

「サー・ジェイムズ・ダイソン」とは?

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モダングラフィックの授業で井手先生が教えてくださったダイソン氏のこと。とても興味深いお話しでした。

ダイソンといえば、掃除機や羽根のない扇風機でおなじみですね。

ダイソン氏はダイソン社の創業者でありデザイナーでもあります。
1947年生まれのプロダクトデザイナー、発明家でもあります。

ダイソン氏は美大を出ているのでしょうか、それとも工学系の大学で学んだのでしょうか
または両方?

というのが、「デザイナー」を目指す生徒さんの多い湘南美術アカデミーでは、気になるところです。

1965年から1966年までセントラルセントマーチンズ (有名なデザイナーを輩出ロンドン芸術大学のカレッジの一つ)で学び、

1968 年から1970年 Royal college of aaAart英国王立美術大学
(ロンドンにあるイギリスの国立大学、修士号と博士号を授与する世界唯一の美術系大学院大学。6年連続アート デザイン分野の世界一位(2020年時))で、家具とインテリアデザインを学んだのち工学に転向。


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先生からお借りした昭和62年発行のカースタイリングにインタビューが掲載されています。

ダイソン氏の言葉をたくさんご紹介したいので、載せていきますね。


「Gフォース掃除機が売れ始めているという」

「スタイルだけでなく卓越した性能をもたらすメカニズムが革新的なのである 」


ちなみに約35年前とは、国民総生産はアメリカを抜き第1位、株も東京の地価も爆上がり❗️のバブル景気、そんな時代にデザインも機能も価格(20万円)も驚きの掃除機が登場したのです。

この「紙パック不要のデュアルサイクロン掃除機」(Gフォース型サイクロン掃除機)の完成に6年かかっているのですが、その理由をダイソン氏が述べています。

「スタイリングすることだけがデザインであれば、同時にいくつものプロジェクトをこなせるが、私はテクノロジーを根本的に追求することからデザインを始める」

「私自身は通常プロダクトマネージャーとして働くが装置の準備やプロトタイプの制作に携わる専任のエンジニアが必要 こうしたやり方で仕事を進めるために」

「デザインすることがスタイリングすることのみを意味するのであれば一度に一つ以上のプロジェクトをこなすことができる。
しかし私は研究することで新しいテクノロジーを発見するための挑戦を楽しんできた。そしてあえて広い範囲からテーマを決めるようにしてきた。自分自身で会社を興して、その事業に投資するという形をとらざるを得なかった。」



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「私は研究することで新しいテクノロジーを発見するための挑戦を楽しんできた。そしてあえて広い範囲からテーマを決めるようにしてきた。どんなテクノロジーの中にも存在する技術の革新に触れることはさほど時間のかかることではない。そこまで到達してしまうと専門家と呼ばれる人が不可能だと思っていることを、先入観のない新鮮な頭が具現化することさえできるのである。
こうしたチャレンジにやみつきになってしまったらしい」

「デザインについて哲学はもたぬ。そのことによる束縛を嫌うから。だが常に従うべき3つのルールがあり。

1 デザインをするときはオリジナルなテーマを選び常にそれを意識すること。しかし徹底するのは退屈に通づるのでやめたほうがよい。実際テーマをより面白く全体に調和をもたらすのは一見矛盾したことが原因かもしれないのだ。

2 デザインは必ずどこかにユーモアがひそんでいること。予想外なこと、変わったことがそのデザインに見出だせることである。それが持続的な価値をもたらし使い手に楽しさを提供するのだ。

3 分析し実験することである。スタート時点からめざましい資格効果など狙わず分析と実験に執着するのだ。デザインの最も顕著な特徴は製品を実際にdesigningデザインするという行為から生まれる to invent発明する、創案するという文字通りの意味はto come upon出会う はたと思いつく ということであり、クリエイティビティとはまさにこのように起こるものだと私は信じている。さまざまな情報を吸収しそこからプロダクトを理性的に築き上げていくのである。」

その仕事とかけ離れた、一見関係なさそうなジャンルの知識の豊富さや視野の広さが、仕事をするうえでどれほど重要かということは、今ではよく知られていることですが、こちらは35年前のインタビュー。

ロイヤルカレッジオブアート時代から、
シートラック(海上輸送船)1969-1973を発明し、35年前のインタビューで、このように語っていることに感動するのです。

シートラックとは、43ノットで移動可能なワーキングボート 水深13センチの浅瀬でも走破できる 50か国以上で販売され15年以上の間世界中で使われているそう。

その4年後にはデザインイノベーションアワードを獲得したボールバロー(1974-1978)を発明。

バルーン風船型ホイールを開発し、取り付けた小型手押し車。
いたって単純なものです。

ボールバロウに使われた車輪を応用したボート運搬用のトロリーボールはセーリング後の陸上げ作業を容易にした。全長2,3メートルのトロリーボールは15キロ コンパクトに折りたためるというもの。

あっと驚き目を見張るようなデザインの、実用性抜群の発明品の数々。プロダクトデザイナーに必要なことは何か、どのような視点が大切なのか、
ダイソン氏のインタビューから学ぶことは多くあると感じます。

湘南美術アカデミー

泉屋博古館東京 リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京

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泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」を見てきました。


住友コレクションの日本画の中から、
大阪・京都・東京の三都市で活躍した絵師の作品を紹介。
各都市の空気を吸い込んだ、ローカルカラーに富む作品が見どころです。



上島鳳山の代表作「十二月美人図」全12幅、なんとも魅力的!初めて見る素晴らしい作品に目を奪われます。

清楚な美人画とは一味違う、上方の美人画の特徴といわれる、妖艶な雰囲気を漂わせた女性たちが、月ごとの情景の中でいきいきと暮らし生きる様子が伝わってきます。

衣装の描写がとても繊細です。そしてお顔が面白いのです。面長の顔は平安時代の美人のような感じです。
普通の女性より粋な感じがあるのに、正倉院の宝物「鳥毛立女屏風」の女性(天女らしいですが)のような素朴な雰囲気もあるような・・・。

上島鳳山《十二月美人図・六月青簾(せいれん)》
明治42年(1909)の、6月の美人の着物の繊細さ、簾の描写に目を奪われつつ思い出したのは、
上村松園の《新蛍》1929(昭和4年)。

鳳山の美人は薄い着物を重ねたような透け感のある軽やかな衣装で、妖艶な雰囲気で簾の横にいます。
松園の方は、おなじみの、すっきりした美人が、簾(すだれ)より高価な、葦簀(よしず)の横に。
似たような構成なので、思い出しましましたが、着物美人と簾は相性が良いですね。

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12枚あるので見飽きることがありません。
これほど楽しめる鳳山なのに、あまり知られていないらしいです。

その理由は、本展覧会の紹介文によると

『明治時代、大阪で活躍した画家・上島鳳山。彼は公募展には作品を出さず、住友家など後援者の求めに応じた作品制作を行っていました。大阪の画家にはこのような傾向があり、知名度は高いとはいえません。この展覧会ではそんな鳳山をはじめとした大阪の画家たちの知られざる名作を一挙にご紹介します。

明治8年(1875)に岡山県に生まれた上島鳳山(うえしま・ほうざん)は、四條円山派の絵師西山完瑛らに師事し、独特の濃厚な雰囲気を漂わせた人物像を多く描きました。明治42年(1909)の第3回文展で落選したという記録が残るほかは、大規模な公募展にはあまり関わらず、住友家主催の園遊会などで席上揮毫を行ったり、後援者の求めに応じて描いていたといわれています。

こうした後援者との密接な関係は、鳳山だけでなく大阪の他の画家たちにも見られます。

大阪の画家たちは作品が公になりにくく、経歴も辿れない事が多いため、今ではあまり知られていないのが現状です。
各家庭において季節やしつらえに合うように描かれたこれらの絵は表具にも配慮がされており、展覧会出品作とは異なる趣向を示しています。』

ということなのです。
住友家の好みに応じてオーダーされた贅沢な作品。住友家の人々の日常を彩った親密な作品たちに、驚きを持って魅了されました。


すべての作品が素晴らしく、リニューアルオープン記念ならではの展覧会でした。

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お出向かえしてくれる、北村四海《蔭》(1871-1927)
日本彫刻における印象主義の到来を告げる貴重な作品です。


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ハリオカフェ泉屋博古館東京店もオープンしました!
美味しいコーヒーとお庭の眺めが楽しめます。

アイザ鎌倉 ステンドグラス展

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人気のステンドグラス展。
今回は兜が評判です!
スタイリッシュでクール!
コンパクトで飾りやすい!
毎年、飾るのが面倒〜ということにはなりません。
節句のお祝いだけでなく、
大人の男性へのプレゼントにも素敵です。

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キラキラの夢のようなステンドグラスをぜひご覧くださいね。

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27日まで
週末のみの開催です。f:id:artyuriko:20220314172208j:plain