徳弘先生 油絵・アクリル画教室

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藤沢の朝日カルチャーから、徳弘亜男先生(国画会)の 油絵・アクリル画教室が移転してきました。

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アクリルと油絵の具を使用します。
3回の授業で1作品を仕上げます。

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モチーフがモダンで素敵です。
オウムは、中学生の生徒さんの作品です。

モチーフどおりに描かなくてもよいのだそう。自分で構成を考えて描きます。


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生徒さんは朝日カルチャー時代から、7年ほど習っている方が多く、中には10年、また2年目の方もいらっしゃいます。

明るく楽しい先生を中心に、とてもよい雰囲気のクラスです。

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「自分の好きなように描く」ことを大切にしてほしい、とおっしゃる徳弘先生。

先生のご指導が入ると、ぐっと、モチーフの前後関係や透明感や、空間関係がはっきりします。

コラージュの勉強、木炭デッサン(静物のドローイングで作品的に仕上げる)の授業、モデルを描く授業(ヌード、コスチュームをそれぞれ年に2回)などの授業があるほか、とても楽しいと毎回、生徒さんに大人気のスケッチ会もあり、今年も計画中です。



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コラージュを取り入れると、色面的になり、平面的な作品になります。

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こちらもコラージュを取り入れています。

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水彩とパステルで描いて、1回の授業で1枚仕上げる生徒さんの作品。

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上の作品と同じ生徒さんです。
コラージュも入れています。


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点描技法が入っています。

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ヌードも、色面をいかしたコラージュで、こんなにモダンに!


扱いやすさと乾きやすさが魅力の、アクリル画の方がほとんどです。

現在、第2、4週月曜日の午前のクラスのみですが、夜のクラスの増設も考えておりますので、どうぞ一度、体験レッスンにいらしてください。新しい趣味の世界が開けることと思います。

湘南美術アカデミー

モダングラフィック技法講座 マーブリング

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今回はマーブリングを体験しました。

水の上に墨や水彩絵の具を落とす方法と、洗濯糊を混ぜ合わせた水にアクリル絵の具を落として模様を作る方法があります。

竹串で線を入れると模様がマーブルに。紙を置いてサッと引き上げると、あら不思議!
マーブル模様が思いもかけない模様になって、紙に移動しているのです。

糊入りの水溶液の方が、色と模様がはっきりでるようです。
数種の紙を試しましたが、ケント紙がよいようでした。

数をこなすうち、水溶液の濃度や絵の具の濃さなどがわかってきます。

なんと100円ショップに、失敗ナシの、マーブリング専用インクも売っています。水溶液を入れるバットも洗濯糊もスポイトも竹串も、100円ショップで揃います。

モダンアート技法・不思議で楽しいマーブリングの世界を、おうちで気軽に楽しんでみてくださいね。

モダングラフィック技法講座 デカルコマニー

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本日の授業、デカルコマニーは、仏: Decalcomanie(転写する)に由来します。
もともとは陶器やガラスの絵付けの技法でした。
エルンストなどシュルレアリスムの画家が、フロッタージュなどとともにオートマティスムの一つの手法として使用しています。

井手先生の作品をお手本に、作り方を習います。絵の具の量、色、紙を折って転写するだけでなく、重ねてもよいし、
重ねた紙をずらしてもよいのです。
(左上の2作は、近代日本を代表する美術評論家・詩人・画家である瀧口修造のデカルコマニー作品です。
瀧口修造は、フランスの詩人・文学者で、シュルレアリスムの父といわれたアンドレ・ブルトンとも親交がありました)



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紙と紙の間などに絵具を挟み、開くと、そこには予想しなかったような模様ができています。
思いがけない形や色の混ざり方が現れ、自然にできた不思議ななにかが見えてくるかも。
デカルコマニーの上に描き足したり、もう一度デカルコマニーをしてみてもよいのです。

湘南美術アカデミー

映画「レンブラントは誰の手に」

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映画「レンブラントは誰の手に」を見てきました。

バロック絵画を代表し、没後350年以上経った今でも人気を誇るオランダの巨匠レンブラント

貴族の家系に生まれレンブラントが描いた肖像画のある家で育った若き画商、
代々受け継いだレンブラント作品を慈しみ絵と共に生きる侯爵、
相続のために貴重な2枚1組の絵画を手放すことになった富豪、

バロックの巨匠の貴重な作品と共に暮らしている人々の、歴史を感じる部屋がなんとも素敵です。
ベッドルームや暖炉の上に掲げられたレンブラント。美術館以外の場所にあるレンブラントを見るのは新鮮な驚き!
こうして自分のものとして暮らしている人たちがいるのですね。

鑑定をしながら、レンブラントの絵をたっぷり、隅々まで映し出して見せてくれるだけでも嬉しいのに、
登場人物がみんな魅力的で、ドキュメンタリーでありながら、あまりにもドラマチック。


本作の中心となる2つの事件?は
1 「画商の評価は直近に手掛けた作品でほぼ決まる。作品次第ですべてを失うかもしれない」と言う若き画商・ヤン・シックスの目はホンモノだったのか?

2 ロスチャイルド家に伝わる2枚1組の絵画を獲得するのはルーブル美術館か?アムステルダム国立美術館か?
謎解きのようなスリルとスピード感が味わえるのも魅力です。




キャンバスの織り糸を数えて生地を確認し鑑定の手掛かりとするレンブラントの専門家、美術収集家夫婦、
購入した作品を美術館に預けて一般公開する美術品収集家、美術館関係者など、
レンブラントに関わる人たちは熱くいきいきしています。
とにかくレンブラントが好き!レンブラントに夢中なのです。

監督は
『みんなのアムステルダム国立美術館へ』で、多くの映画ファンの心をつかんだ
オランダのドキュメンタリー作家、ウケ・ホーヘンダイク。

すべてのシーンが見どころで、目が離せないほど魅力的!
今年1番のアート系映画になりそうな予感です。

湘南美術アカデミー

横須賀美術館「ヒコーキと美術」展。「図案対象」全画面。4月11日までです。

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横須賀美術館で「ヒコーキと美術展」を見てきました。

飛行機という20世紀の一大発明が私たちに与えた影響について美術の視点から見ていく というものです。

それまでになかったスピードや空中感覚を経験させる飛行機は人々のビジョンに変化を与えました。
また機械としての洗練された機能美は、新しい時代にふさわしい、モチーフとしての魅力に満ちたものです。
横須賀ならではの秋水とのコラボ展示もあり、戦争の悲惨さと切り離せない展覧会でもありましたが、
飛行への驚きと憧れのあった時代の作品約50点から、
画家の目を通した「飛行機」「飛行」が新鮮に感じる素晴らしい展覧会でした。

写真は川端龍子の大作です。

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左:久保克彦「図案対象」第三画面
右:中村研一

久保克彦は、戦没画学生として、素晴らしい作品を残しています。

東京美術学校工芸科図案部を首席で卒業。勅令によって卒業を半年繰り上げられて卒業と同時に軍隊へ入り、
太平洋戦争中、中国で戦死。

「図案対象」は、1942年に卒業制作として描かれたもので、その2年後に戦死。たったの25歳、、、
提出期限当日の朝完成(未完だそう)し、 首席作品として学校の買い上げとなった作品です。


「図案対象」は
透明感のある色彩の美しさ、構図、コラージュ、箔、霧吹きなどの技法を使用した全5枚、どれも、これまで見た絵画とは違う魅力を放っていました。
中央の第三画面を中心に絵のサイズが対称に構成されています。第三画面はエルンストが使ったフォトモンタージュ技法によるシュルレアリスムの作品ということ。
勢いを感じる血のしぶきが描かれていますが、色やデザインのせいかポップな感じがします。
この「図案対象」はグラフィックデザインの先駆的作品として高く評価されているのだそう。

身近に画家や俳人がいたという環境であり、少年時代から工作や飛行機が大好きで、
小学生の時には、モーターや風力を使った臼を作ったりしていたそう。
構造線が描かれた作品は、ダ・ヴィンチを彷彿とさせます。

久保克彦は作品の解説を残していなかったのですが、
その後、あらゆる角度から分析、解釈、照合、比較研究などの考察を重ねた結果、
一見バラバラに見える事物の配置は、全て「黄金比」の法則に従って、整然と並べられていたことが分かったのだそうです。
黄金比というのは、人間が最も美しいと感じる比率のことで、それは、1:1.618というもの。
ダ・ヴィンチモナリザ黄金比に基づいています。
古代ギリシャパルテノン神殿古代エジプトのピラミッド、パリの凱旋門、ガウディのサグラダファミリア大聖堂、ミロのビーナスも「黄金比」なのだそう。

ところで、戦没画学生という名称があるのですね。
なんて悲しい名称でしょうか。
戦没画学生の作品を集めた「無言館」という美術館が長野県にあるそうです。

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左:日本抽象美術の先駆者といわれた、恩地孝四郎
右:清水登之

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横須賀市の観光スポット、観音崎灯台

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眺めの良い観音崎のレストラン「マテリア」

かつて横須賀市追浜には、ライト兄弟が飛んだ9年後に作られた飛行場があったそうです。飛行機と関連の深い横須賀で、ヒコーキが私たちにもたらしたさまざまな光と影についてを、美術作品を通して考えるよい機会になりました。
4月11日までです。

湘南美術アカデミー